アドビは3月26日、年次のデジタルエクスペリエンスカンファレンスである「Adobe Summit」において、「Adobe Experience Cloud」のワークフローとインサイトを「Microsoft Copilot for Microsoft 365」に提供する計画を発表した。

計画の背景

マーケティング分野は複雑かつ複数の専門的な役職で構成されているため、ブランドコンテンツのデザインやキャンペーンの管理から、社内外のパートナーによる、複数のチャネルを横断したオーディエンスインサイトの追跡、結果の報告に至るまで、さまざまなツールが要求される。

すなわち、マーケターは、サイロ化された、異なるアプリケーションでの作業という課題に直面しており、これは連携不足に陥ることや、スピードや生産性に悪影響を及ぼす可能性があるという。

アドビとMicrosoftは、今後こうした課題に共同で取り組んでいく考えのもとに計画を発表した。マーケターは社内外の複数のチームを横断して作業を行いつつ、キャンペーンの目標、状況、アクションを管理するケースが多いため、最初はこれらのニーズへの対応に重点が置くという。

なお、今回提供される機能は以下のシナリオへの対応を想定している。

業務フローにおける戦略的インサイト

「Adobe Customer Journey Analytics」や「Adobe Workfront」など、Adobe Experience Cloudのアプリケーションによる適切なキャンペーンインサイトを活用し、「Dynamics 365」と組み合わせることで、マーケターがOutlook、Teams、Wordでインサイトと最新情報を迅速に取得できるよう支援する。

マーケターは、キャンペーンの効果や承認待ちの状況、取るべきアクションや、最新のキャンペーンブリーフで定義されるオーディエンスとKPIを理解しつつ、マーケティングプロジェクトの状況を理解するための質問をすることが可能。

適切なコンテキストに基づき、キャンペーンブリーフ、プレゼンテーション、Webサイトの最新情報、電子メールを作成

マーケターは複数のツールや担当者にインサイトを求めることなく、容易にデータに基づいた判断ができるようになる。

アドビとDynamics 365のマーケティングインサイトは、Copilot for Microsoft 365で利用でき、ブリーフ、幹部の確認用のプレゼンテーション、レポート、最新情報を作成可能。

「Adobe Experience Manager Sites」の機能がCopilot for Microsoft 365に統合されることで、マーケターはAdobe Fireflyの生成AIで画像を作成し、マーケティング体験のキャッチコピーをWordで直接作成し、Webやモバイルなどのチャネルでパブリッシュできる。

コンテキストに即した通知と要約を通じてプロジェクトを進行

マーケターは、フィードバック、承認、作業項目の変更、締切日など、プロジェクトの状況をまとめるため、複数のアプリケーション、電子メール、チャットを確認する必要がある。

Adobe Workfrontが提供するこれらの統合機能では、アプリケーション間で連携し、関連するマーケティングデータを活用した通知を作成することで、あらゆる変化や取るべきアクションを常に把握することが可能。

計画の概要

今回の計画により、マーケターはアプリケーションとデータのサイロ化を克服して、日常業務をより効率的に管理できるようになる。

新たな統合機能により、Adobe Experience CloudのアプリケーションとMicrosoft Dynamics 365から関連あるマーケティングのインサイトやワークフローをMicrosoft Copilotに取り込むことが可能となる。そして、Outlook、Microsoft Teams、Wordなどのツールでクリエイティブブリーフの作成、コンテンツの制作、コンテンツの承認管理、エクスペリエンスの提供などを行うマーケターを支援するという。