パーソルグループのパーソルイノベーションは3月26日、Reskilling Camp Companyが展開するリスキリング支援サービス「Reskilling Camp」が実施したリスキリング施策に関する定点調査の結果を公表した。調査には660人が回答した。四半期ごとに実施している調査の5回目となる今回は、リスキリング施策の学習推奨時間の設定状況や、リスキリング施策後の昇給の実施状況など新たに聴取している。

リスキリング実施状況は大企業が先行

所属企業において直近1年間に従業員のリスキリング施策に関する取り組みを実施したかを聞くと、「実施した」との回答は前回調査の40.9%から2.1ポイント増加して43.0%となった。大企業(従業員300人以上)では前回と変わらず57.3%、中小 / スタートアップ企業(従業員300人未満)では33.2%(前回34.6%)となり、リスキリング施策は引き続き大企業が先行して取り組んでいるようだ。

  • リスキリングの実施状況

    リスキリングの実施状況(資料:パーソルイノベーション Reskilling Camp Company)

リスキリング施策において重視するスキルは、1位「データ活用(39.4%)」となり、2位は同率で「ITプロジェクトマネジメント(33.9%)」と「セキュリティ(33.9%)」という結果に。「リーダーシップ(33.6%)」「AI活用(ChatGPTなど)(30.7%)」が続いた。

  • リスキリングで重要視するスキル

    リスキリングで重要視するスキル(資料:パーソルイノベーション Reskilling Camp Company)

リスキリングの成果を実感する企業の特長

所属企業が取り組むリスキリング施策の成果実感について聞いたところ、「大きな成果が実感できた」との回答は12.3%で前回の16.4%から若干減少している。一方で「成果を実感できた」との回答は過去最多の59.6%(前回56.9%)であり、リスキリング施策の成果を感じている企業は全体で70%以上となっている。

  • 成果の実感について

    成果の実感について(資料:パーソルイノベーション Reskilling Camp Company)

リスキリング施策の優遇制度の状況について聞くと、「一時的なインセンティブ付与」(44.0%)、「リスキリング施策後の昇格」(36.5%)、「異動希望の受理」(30.3%)が上位に。成果実感別で回答をみると、成果を実感している企業では「リスキリング施策後の昇給」「リスキリング施策後の昇格」「一時的なインセンティブ付与」の実施率が80%以上であることが分かったようだ。

  • リスキリングに関する取り組みの優遇制度について

    リスキリングに関する取り組みの優遇制度について(資料:パーソルイノベーション Reskilling Camp Company)

リスキリングの学習推奨時間は業務時間内

リスキリング施策の学習推奨時間について、「定められている」が64.3%、「定められていない」は33.2%だった。1週間の学習推奨時間について調査すると、「業務時間内で3時間以上~10時間未満」が39.3%で最も多かった。「業務時間内」でのリスキリング施策を実施するとの回答は合計で75.8%であり、多くの企業が業務時間内に行っていることが明らかになった。

  • リスキリングの学習推奨時間

    リスキリングの学習推奨時間(資料:パーソルイノベーション Reskilling Camp Company)