NTTドコモ、筑水キャニコム、大協不動産の3社は3月26日、グリーンエネルギーの推進を目標として、ソーラー発電所での草刈り作業の省人化および自動化に向け「Starlink(スターリンク)を活用した自動運転型草刈り機の実証実験」を3月28日に実施することを発表した。
実証の概要
自動運転型草刈り機は、筑水キャニコムが商用提供する機体がベースとなっている。機体に高精度GNSS(Global Navigation Satellite System:衛星測位システム)を搭載し、自己位置情報を基準に、事前に設定したルートを走行して車両前方の刈刃で草刈りを行う。最大傾斜角45度までの斜面で走行と草刈りが可能で、河川敷や鉄道・高速道路の法面などの草刈り作業も自動化可能だという。
遠隔地では、車両の四方についたカメラ映像や地図に配置された機体の位置情報、四方のうちの前方カメラに合成された自動運転走行ルート情報などを複合的に目視確認し、機体の状態をリアルタイムに把握できる。
傾斜角やGNSS電波の精度など、機体の安全性に影響を与える情報についてもモニタリングし、危険がある場合には監視者側で遠隔操縦へ切り替え可能。遠隔監視と操作時の通信については4G / LTE通信に加えて衛星通信Starlinkも使用できるため、電波の入りにくい環境下でも作業を継続できる。
実証の背景
ソーラー発電所は日陰における発電量低下や火災、故障、保守点検の非効率化など、雑草が生い茂ることによってさまざまなデメリットがあるため、除草による用地管理が必要となる。
その一方で、ソーラー発電所のような場所では、地球温暖化に伴う平均気温上昇によって熱中症リスクが増大するほか、蜂刺されや刈刃の接触による労働災害の増加なども顕著で、過酷な労働環境から草刈り作業の担い手不足が深刻化しているようだ。
そこで今回の実証では、大協不動産が管理するソーラー発電所において、草刈り作業の省人化および自動化を目的に開発した、Starlinkを活用した自動運転型草刈り機による草刈りを行い、その運用性能を検証する。人手不足が深刻な草刈り作業の自動化により、過酷な労働環境の改善と適切な用地管理への貢献を目指す。