Sansanは3月25日、同社が提供する契約データベース「Contract One」に、関連する契約を自動でひも付ける「契約ツリー」機能と、契約の有効性を自動で判定する「契約状況判定」機能を実装したと発表した。俯瞰的な契約管理を実現し、属人的な契約管理によるリスクの軽減につなげる。
Contract Oneは、あらゆる契約書をデータ化することで、クラウド上での一元管理を可能とする契約データベース。今回発表された2つの新機能によって、大量の契約情報から関連性のある契約群を自動でひも付けするとともに、各契約の有効性を自動で判定する。
契約ツリー機能では、データ化した契約書を自動的にツリーとして関連性を可視化する。「基本契約」を親契約、「個別契約書」や「秘密保持契約書」などを子契約として自動で判別してひも付けを行う。これにより、各書類を個別に管理することで発生していた契約状況の不正確な理解や、契約更新漏れ、不必要な更新による追加費用の発生などを防止できるとしている。
契約状況判定機能では、データベース化した契約情報から、契約終了日や自動更新の有無、自動更新期間などを自動で読み取り、各契約のステータスを「契約中」「契約終了」に自動で分類する。終了日の記載がない場合は「契約終了日無」と表示。
また、契約終了日が経過しているが自動更新の定めがあるもの、すなわち意図せず自動更新されている可能性がある契約書は「契約終了日経過/自動更新有」と表示される。これにより担当者は各ステータスを確認後、契約を終了するか再締結するかを判断し、不明確な取引を適正化できるようになる。
契約書は、法律専門用語など独特な表現が使われるほか、特定のフォーマットがないためデータ化が難しい情報の1つだ。同社はAI(人工知能)と人力を組み合わせた独自のデータ化技術に加え、自然言語処理の研究成果を活用し、契約書の正確なデータ化を可能にしている。契約業務の効率化によるコスト削減につなげたい考えだ。