東北大学は2019年(令和元年)9月から始めた研究プロジェクト「新領域創成のための挑戦研究デュオ~Frontier Research in Duo (FRiD)~」の研究成果を広く公開するセミナーを3月25日に開催するすることを発表した。

FRiDは、将来、世界を先導する研究フロンティアの開拓・研究領域の創成を力強く推進するため、10~15年後のトレンドとなり得る挑戦的研究、または萌芽的なアイデアを生み出すための初期段階にある研究を支援することにより、既成概念にとらわれない新たな価値の創造、新たな研究領域の創成を果たすことを狙いとした分野融合研究プロジェクトとして5年間にわたって実施されてきたとりくみ。今回のセミナーは、その研究成果の報告会にあたる。

セミナーは2部構成の予定。冒頭には、東北大の大野英男総長がビデオメッセージにて開会の挨拶も行う予定となっている。

その後の1部では、FRiDとして推進してきた研究プロジェクトの中から「ヘリカルスピントロニクスの学理構築」を東北大 工学研究科 電光子情報材料学分野の好田誠 教授が、「Quantum Sensing:From Materials to Universe」を同 材料科学高等研究所のYong P.Chen教授(米国のパデュー大学兼任)が、「プラズマアグリ -機能性窒素を活用したサステナブルファーム-」を同 工学研究科 プラズマ理工学分野の金子俊郎 教授が、それぞれ報告する予定となっている。それぞれ野心的で、独創的な研究開発テーマになっているといえる。

後半の2部は、「ソフトウエット電極技術に基づく生体イオントロニクス工学の開拓」を同 工学研究科バイオデバイス分野の西澤松彦 教授が、「宇宙での生命維持機構の解明に向けた超小型衛星Tohoku Univ. Biosatellite Cube(TU BioCube)の開発」を同 生命科学研究科 分子遺伝生理学分野の日出間純 准教授が、「神経による腸内フローラ制御を介した健康維持」を同 薬学研究科 生命機能解析学分野の倉田祥一朗 教授が、「1万年続く持続可能社会構築のための文化形成メカニズムの解明」を同 東北アジア研究センター モンゴル・中央アジア研究分野の佐野勝宏 教授がそれぞれ報告する予定となっている。

東北大が独創的な分野融合研究プロジェクトを進めてきた成果を公表することで、優れた研究開発環境を持ち、その成果を出していることをアピールすることが、このセミナーの狙いのようだ。

なお、同セミナーはZoomを用いたオンラインセミナー形式で開催され、登録は無料。事前登録をした人にのみ参加用URLが送られるという。

  • 東北大 研究プロジェクトの成果報告公開セミナーのポスター

    東北大 研究プロジェクト「新領域創成のための挑戦研究デュオ~Frontier Research in Duo (FRiD)~」の成果報告公開セミナーのポスター (出所:東北大)