エイトレッドは3月14日、2023年度にDX推進ができなかった企業の総務・情報システム担当者を対象に実施した、DX未達成企業における課題と展望調査の結果を発表した。これによると、社内のコミュニケーションやITリテラシーがDX推進のつまずきポイントとみられるという。
同調査は同社が2月15日~19日にかけて、2023年度にDX推進ができなかった従業員100~1000人の企業の総務・情報システム担当者を対象としてインターネット調査により実施したものであり、有効回答者数は108人。
推進できなかったDXの取り組みとは?
2023年度に満足に推進できなかったDXの取り組みを尋ねると、「ペーパーレス化の推進」が45.4%で最も多く、「残存するアナログ業務のデジタル化」と「システム連携による業務効率化」がいずれも36.1%で続く。
DX推進がうまくいかなかった理由としては、「社内のITリテラシーが不十分だから」が39.8%と最多であり、以下「プロジェクトを推進するDX人材が不足していたから」(32.4%)、「目的やゴールが明確化されていなかったから」(30.6%)の順だった。
DX推進で最もつまずいてしまったと感じたタイミングを質問したところ、「現状分析からDX推進の戦略策定のタイミング」が18.5%で最も多く、「実行に向けた情報収集のタイミング」が14.8%で続く。
DX推進でしっかりやっておけばよかったと思うことを聞くと、「各部署、現場のヒアリング」が33.3%と最多であり、以下「DX推進の目的やゴールの策定」(29.6%)、「全社的なDX推進の雰囲気・文化の醸成」(25.0%)の順だった。
企業のDX推進予算の現状
2024年度のDX推進予算について2023年度との増減を尋ねたところ、「大幅に増額する」は0%、「多少増額する」は13.9%に留まり、「ほとんど変わらない」が49.1%と半数近くを占める。
2024年度以降に着手していきたいDX推進の取り組みでは、「システム連携による業務効率化」が39.8%、「ペーパーレス化の推進」が39.8%、「残存するアナログ業務のデジタル化」が32.4%だった。
調査結果について同社は、「企業が効率よく業務を遂行し、コア業務に集中するためにはDX推進は不可欠ですが、今回の調査では、DX未達成企業が抱える課題や、推進を阻む要因が明らかになりました。DX推進にあたっての後悔において、現場の状況把握や目的合わせなど、社内でのコミュニケーションを軸とした要因が大きいことから、まずは、社内のヒアリングにより課題を明確化し、DX推進のゴールを策定した上で、一人ひとりの意識改革を進めていくことが重要と言えるでしょう」とコメントしている。