東日本旅客鉄道(JR東日本)は、2月26日より日立の移動制約者ご案内業務支援サービスを導入し、山手線、南武線(川崎~立川)、京葉線(東京~蘇我)および東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線で運用を開始した。3月14日に日立製作所が同社の製品をJR東日本が採用したと発表した。
このサービスは、口頭伝達や紙でのやり取りを主とする列車乗降サポート業務のプロセスを電子化し、利用受付から駅係員間の連絡・引継ぎ、乗降サポートの実績管理といった一連の連絡業務をスマートデバイス上で完結できるもの。2022年6月より九州旅客鉄道(JR九州)で先行して提供していた。
列車の走行位置情報と連携することで、乗車駅の一つ前の駅と降車駅の一つ前の駅で、車いすご案内情報を乗務員に知らせすることが可能。乗車駅、降車駅間での駅係員同士の連絡だけでなく、移動制約者の搭乗する車両を運転する乗務員にも情報を提供する。これにより乗務員は、次の駅で移動制約者の乗降があることを事前に把握することが可能となる。
今回、乗務員向け機能のほかに、駅係員によるホームまでの案内および列車の乗降の介助を、旅客自らが事前にWebから申し込める事前介助受付機能や列車遅延情報との連携機能を合わせて提供する。
事前介助受付機能は、 JR東日本の指定券予約サービス「えきねっと」と連携した「JREおでかけサポート」として提供する。えきねっとの画面で切符を購入後、介助の申し込み画面へ進むことができる。駅係員による申し込み分と合わせ、事前の介助申し込みの一覧表示により、必要人員の事前手配など当日の計画的な人員配置が可能になるという。
さらに、従来はサポートが必要な旅客が乗降する列車が遅延した場合、介助のタイミングを駅係員が判断していたが、今回、列車の運行情報システムとの連携により対象の列車がどのくらい遅延しているのかを自動で取得可能となった。遅延時間を視覚的に分かりやすく表示することで、介助のタイミングを図りやすくなるという。今後、同サービスの利用可能な線区を拡大していくということだ。