インド政府は、西部グジャラート州と北東部アッサム州に合わせて投資総額1兆2500億ルピー(約2兆2000億円)規模の3つの半導体工場建設計画を2月末に承認していたが、3月13日にそれらの起工式を、同国のナレンドラ・モディ首相がオンラインで参加する形で開催された。

同式典においてモディ首相は「インドが世界有数の半導体生産ハブになる日も遠くはない。3つの工場はインドの経済成長や技術革新を促進するだろう」と述べ、半導体の国産化を加速させていく考えを示した。

インド初となる1つの前工程工場と2つの後工程工場の建設を開始

グジャラート州には、インド最大の財閥であるタタ・グループの傘下企業と台湾の半導体企業である力晶積成電子製造(Powerchip Semiconductor Manufacturing:PSMC)の提携の下、インド初となる月産5万枚の生産能力を有する前工程工場が投資額約9100億ルピーで建設される予定となっているほか、インドの地元企業CG Power and Industrial Solutions、ルネサス エレクトロニクス、タイのStars Microelectronicsが共同で、投資額約760億ルピーでOSAT(後工程受託生産)工場を建設することが予定されている。

一方のアッサム州では、タタ・グループの前工程とは別の傘下企業が投資額2700億ルピーでOSAT工場を建設することが予定されている。

インドは、半導体産業を将来の経済成長の柱にしようと政府が後押ししており、その意欲を示すという意味合いもあり、今回、同時に3工場の起工式を開催したものと思われる。モディ首相も先頭に立ち、近い将来、世界有数の半導体生産拠点になることを掲げており、今後、さらに半導体生産分野でのインドの存在感が増す可能性がある。