米Microsoftは3月13日(現地時間)、昨年10月に発表した「Windows Armアドバイザリーサービス」の世界規模の提供を開始し、英語、日本語、中国語(簡体字、繁体字)に対応言語を拡大した。
Armアドバイザリーサービスは、Windowsアプリや基幹業務アプリケーションを構築する開発者を対象に、Windows on Arm向けアプリ開発の問題解決を支援する。無償のエンジニアリングアドバイザリープログラムである。
Apple Siliconを搭載したMacの成功で、Armベースのプロセッサを搭載したPCに対する消費者の関心が高まっており、CounterpointはArmベースのPCの市場シェアが2027年までに25%に増加すると予測している。Microsoftは今後のWindows PCの発展可能性として、AI PCと共に、PCのモバイル性能を引き上げるArmベースのPCの成長に注力している。
ハードウェア面では、Qualcommの新しいモバイルPC向けSoC「Snapdragon X Elite」を搭載したWindows PCがこの春から夏にかけて登場する見通しである。X Eliteは元Appleのチップ設計者が設立したNuvia(2021年にQualcommが買収)の技術をとり入れたCPU「Oryon」を搭載し、QualcommによるとシングルスレッドおよびマルチスレッドのCPUパフォーマンスがAppleのM2 Maxを上回っている。一方ソフトウェア面は、Windows 11 on Armで64bit版のWindowsアプリ(x64)をエミュレーション実行できるが、より良いユーザー体験のためにネイティブアプリが増えることが望ましい。Microsoftは「この市場機会を利用したい開発者にとって、2024年は非常にエキサイティングな年になる」としており、Armアドバイザリーサービスを通じて開発者のArm互換アプリ構築を支援する。
Armアドバイザリーサービスでは、開発のベストプラクティス/ ガイダンス/ 実装に関する技術ワークショップ、Armアプリの体験を向上させるプラットフォーム機能に関する提案、アーム開発向けのコードサンプルとレビュー、障害対応支援、Microsoftのエンジニアによる開発支援などを受けられる。利用希望者は、Windows Arm Advisory Services用のWebフォームに記入して申し込む。