Infineon Technologiesは、2月26日から28日にかけて米カリフォルニア州にて開催されたパワーエレクトロニクス技術に関するカンファレンス「Applied Power Electronics Conference (APEC)2024」において、ソリッドステートアイソレーターの新製品ファミリー「ISSI20R11H」を発表した。
同社のゲートドライバIC「EiceDRIVERシリーズ」に位置づけられる同製品は、光学式ソリッドステートリレー(SSR)では提供できない保護機能によって、回路スイッチングの高速化と信頼性向上を実現するという。また、コアレストランスフォーマー技術を使用することで、電流保護と温度保護による20倍のエネルギー伝達をサポートし、信頼性の向上と所有コストの削減を可能とするという。
さらに、1000V、100Aを超える負荷を制御可能なカスタムソリッドステートリレーを構築できるようになり、同社のMOS制御型パワートランジスタ「OptiMOS」ならびに「CoolMOS」のゲート駆動が可能になることから、従来のシリコン制御整流器(SCR)とトライアックを使用する形のソリッドステートリレーに対して、電力損失を最大70%削減することが可能になるともしている。
このほか、同社では、同社のCoolMOS S7スイッチに適合したアイソレータードライバーは、光駆動型ソリッドステートソリューションと比べて抵抗値の低いスイッチング設計を可能とすることから、高度なバッテリー管理、蓄電システム、再生可能エネルギーといった発電システムなどのアプリケーションのほか、オートメーション システムなどにおいて、システム設計での長寿命化と所有コスト削減を実現できるようになると説明している。