GMO学術サポート & テクノロジーは3月12日、富士通のクラウドサービス群「Fujitsu Computing as a Service」(以下、CaaS)上で「富岳」の研究成果を実用化するサービスを3月1日より提供開始したことを明らかにした。
サービス提供内容
このサービスはGMO学術サポート & テクノロジーが、富岳で開発したソフトやデータをCaaS上に実装し、研究者に対してHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)を活用した膨大な脳MRIデータの解析環境を提供するもの。研究者が容易かつ高速に脳MRI解析AIの開発を行うために、前処理を事前に施したオープンデータと、クローズドデータに前処理を施す解析環境を提供する。
この前処理機能は、解析目的に合わせて動きや歪みの補正、ノイズ低減などの加工を行うもので、従来は約2年かかるとされていた数千人の患者の脳MRIのデータ処理時間を2日間に短縮しているという。
取り組みの特長
富士通によると、今回の取り組みは、富岳で研究開発したソフトウェアやデータをCaaS上に実装しサービス利用者に提供する初の事例とのことだ。これまで富岳の成果をサービスとして提供する環境がなかったため、富岳の成果が社会実装されるまでには多くの期間や工数が必要とされていた。CaaSは富岳と同じCPU「A64FX」を採用しているため、富岳で利用していたソフトウェアやデータをそのまま利用可能なのだという。
今回提供を開始した脳MRIデータの前処理については、事前に前処理済みのデータや利用環境を整備した上で提供するため、利用者はGMO学術サポート & テクノロジーがCaaS上に構築する解析環境にアクセスすれば即座に利用を開始できる。