NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)とNTTドコモは3月12日、宮城県岩沼市が運行を開始する「岩沼AI乗合バス」に、オンデマンド型公共交通システムを提供することを明らかにした。同社によると、AIを活用したオンデマンド型公共交通システムの本格運用は県内の自治体で初の取り組みなのだという。
岩沼AI乗合バスのサービス概要
今回運行を開始する岩沼AI乗合バスはルートや時刻表が存在しない。利用者の予約状況に基づいてAIが最適な道順を割り出し、他の利用者と乗り合いながら目的地に向かう小型バスだ。利用者の移動需要に最も効率的に対応できる送迎順で必要な乗降ポイント間を走行するため、効率的な運行を可能にするという。電話やスマホアプリから配車をリクエスト可能。
サービス提供の背景
近年の岩沼市では、移動手段のない市民が安心して生活できるバス体系づくりが課題となっていたという。岩沼市、NTT Com、ドコモの3者は2021年から、市内交通の利便性向上と地域経済の活性化を目指して、利用者の予約状況に応じて運行経路や運行スケジュールを決定するオンデマンド型公共交通システムの実証実験を実施してきた。
実証の結果、十分な導入効果が得られたことから今回の本格運用に至ったとのことだ。路線運行バスを補完しながら岩沼AI乗合バスを運行することで、効率的かつ利便性の高いバス交通の提供を目指す。