東芝テックは3月11日、生成AIのキーエンジン「Transformer」によるリテールプロモーション最適化AIソリューションを開発したことを発表した。
このソリューションは、POSデータから顧客の好みや反応をAIに類推させ、個々の顧客とPRの組み合わせによる売上や利益のシミュレーションを行うもの。利益最大化を目指し、数理最適化問題を解いて最適なクーポンやポイントの配信を行うことが可能となる。
同ソリューションでは、(1)消費者一人一人の購買に至りやすい商品を消費者と商品全ての組み合わせで予測する、(2)消費者一人一人のプロモーション別商品別の反応度を予測する、(3)各消費者に各々のプロモーションを発信した際の売上・利益の変化をシミュレーションする、(4)プロモーション投資額に限りがある中で、膨大な組み合わせの中からどの消費者にどのプロモーションを発信すると経済効率性が高く、利益総額が最大化されるのかをシミュレーションし、配信する──という4つの主要な機能で構成され、これらのうち(1)にTransformerを用いている。
Transformerモジュールをレコメンデーションモデルそのものに組み込むことで、消費者ごとの購買履歴、顧客属性、商品属性、店舗属性などの情報を統合し、消費者の好む商品を予測できるほか、顧客×商品別の膨大な組み合わせで、クーポンを送った場合にどれだけ利益が増加/減少するのかを計算し、利益総額が最大化される組み合わせを推定できるということだ。
同ソリューションは、東芝テックが取り組みを強化している生成AI活用サービス開発の第一弾であり、今後もリテール業界の課題解決に向けたAIソリューションの開発を続けていくとしている。なお、同社の生成AIの取り組みは、3月12日〜15日に東京ビッグサイトにて開催される「リテールテックJAPAN 2024」の東芝テックブースで展示される。