スペースワンは2024年3月9日11時1分12秒~17分(日本標準時)にかけて予定していた民間ロケット射場「スペースポート紀伊」からの小型固体燃料ロケット「カイロス初号機」の打ち上げ延期を発表した。
打ち上げの延期理由は明らかになっていないが、現地は風が強く吹いていたことから、打ち上げに必要な天候条件が満たされなかった可能性がある。また、同日の11時1分12秒の打ち上げ予定を、直前になって11時17分12秒に繰り下げた後、11時17分12秒の打ち上げシーケンス時、カウントゼロになってもエンジンに着火されなかったことから、機体に何らかのトラブルが確認された可能性もある。
2024年3月9日14:15追記:打ち上げ中止決定後に開催された会見にて、警戒区域内への船舶の立ち入りが確認されたことから打ち上げを中止したこと、ならびに次回の打ち上げは3月13日以降となる見込みであることが公式に発表されました。技術的なトラブルなどはなく、機体は健全であるとしています。
カイロスロケット初号機は3段式の固体燃料と液体推進系キックステージ(PBS)で構成され、全長約18m、直径は代表径が1.35m、フェアリング径が1.5m、全備重量約23トン。太陽同期軌道(SSO)に150kg、地球低軌道(LEO)に250kgの人工衛星を打ち上げる能力を有しており、今回の打ち上げでは、内閣衛星情報センターの「短期打上型小型衛星」を搭載。打ち上げ後は、政府の情報収集衛星を小型衛星が担えるのかどうかの検証を行う予定となっている。
なお、打ち上げ予備期間としては3月10日~3月31日までが予定されている。