アイ・ティー・アール(ITR)は3月7日、国内のDaaS(Desktop as a Service)市場規模推移および予測を発表した。これによると、同市場の2022年度の売上金額は2021年度と比べて11.9%増の366億9000万円であり、2022年度~2027年度にかけてCAGR(年平均成長率) 7.9%で成長を続け、2026年度には500億円規模に達するという。

  • DaaS市場の規模推移と予測 出典: ITR

2022年度の同市場では、シェア中位以上のほとんどのベンダーが前年度比2桁の伸びを示し、とりわけ一部のメガクラウドベンダーは20%超の伸びになった。2023年度も同様の傾向といい、2022年度に対して10.7%増になると同社は予測する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延(コロナ禍)を背景に続いていた大きな需要が一巡し、2022年度は10%台の伸びに落ち着いたという。

現在も、既存ユーザーのID追加や上位プランへの移行によるアップセル、オンプレミスのVDI環境からの移行、セキュリティ商材などの自社商材と組み合わせた販売など、一定の成長要因があることから、市場は今後も緩やかな成長が見込まれると同社は見る。

同社のプリンシパル・アナリストである三浦竜樹氏は、「国内のDaaS市場は緩やかな成長へと落ち着きを見せており、製品・サービスはセキュリティやコラボレーションツールとの連携機能の強化による企業ニーズへの対応の動きが見られる。また、メガクラウドベンダーが中堅・中小企業向けのDaaSの販売を強化したことで、年商500億円未満の企業における売上げが徐々に拡大しており、今後もこの傾向が続くと予測される」とコメントしている。