MonotaROは2月26日、競争優位性と今後の展望に関するラウンドテーブル会議を実施した。田村咲耶代表執行役社長は、「サプライチェーンでダイナミックな成長をしたい」と述べ、これまでに経験してきたことを生かしていく姿勢を示した。
ラウンドテーブル会議では、同社が理念に掲げる「変革」や、事業内容を改めて紹介。「商品2217万点以上」「ユーザー910万件以上」「連結売上高約2543億円」「グローバルにサービスを展開」など現状を発表した。
2024年1月1日付けで田村氏は社長となっている。「私が入社したのは2020年3月。今年4月でちょうど4年。今回の社長交代も変革を推進する1つの取り組み。改めて、本当にいい会社であると実感している」(田村社長)と話した。
同社の事業成長サイクルは、「取扱商品点数拡大」「顧客数拡大」「在庫点数拡大」「売上・利益拡大」の四つがあり、商品がすぐに届くという「時間資源」の提供が成長を支えているとした。
今後の成長におけるマーケティング戦略は、「Micro」「Small」「Mid」「Large」の四つのカテゴリーに分けて、それぞれで施策を進めていく方針。カテゴリー分けは、顧客の特徴や利用状況、売り上げ比率などをもとにセグメントしている。
特に、これまで「Micro」や「Small」で展開してきたことを、購買システムなどを利用する中堅から大手企業の「Mid」「Large」の領域にも拡大。ネット通販事業で培ってきたワン・トゥ・ワンマーケティングを横展開して、成長を加速させていく考えだ。
こうしたマーケティング強化と同時に物流投資も進める。
2023年4月に稼働した「猪名川DC」に続き、2025年5月には茨城・水戸市に新たな「新関東DC」を着工する。投資総額は約460億円で、出荷能力は1日30万個、在庫能力は50万SKUを予定する。
また初めて免震を採用し、災害に備える物流施設にする。新設備などの導入によって、すでに稼働する物流施設「笠間DC」と比較して、生産性3倍を目指していく。
猪名川DCの稼働によって、一部地域を除く、当日出荷の締め切り時間の延長を目指す計画だ。田村社長は「2024年中には実施したい。伸ばす時間は検討中」とした。現在15時までの注文受付時間がどこまで伸びるのか注目が集まる。