こども未来教育協議会は3月6日、3月1日より一般社団法人化し、「一般社団法人 こども未来教育協議会」として本格的に活動を開始したことを発表した。同協議会は、TOPPANホールディングス、BPS、Lentrance、東京書籍、帝国書院、新興出版社啓林館の6社が、デジタル教科書の活用による教育DX推進を目的として2023年9月6日に設立したもの。
活動の第1弾として、協議会各社のコンテンツやビューアーが利用できる教科書ポータル「EduHub」の提供をTOPPANグループより同月21日から開始する。なお、教育委員会、学校設置者、学校(教職員、児童生徒)は無償で利用可能だという。
EduHubの概要
今回、協議会の参画各社が協働し、TOPPANグループより提供を開始する、EduHubは、教科書を起点にさまざまな教育サービスを繋ぐ教科書ポータル。同サービスから教科書・教材の利用開始に必要なIDを発行することで、教科書発行者・教材会社ごとに繰り返していたユーザ登録作業を1つに集約できる。
サービス併用による煩雑さの解消とともに、分野横断的な学びや探究的な学びなど、デジタルならではの利点を活かした教育DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで、児童生徒、教職員にとって利用しやすい学習環境の実現に取り組むという。
EduHubの特徴
こども未来教育協議会は、EduHubの特徴として以下の3点を挙げている。
登録支援機能
これまでは、デジタル上で利用する教科書や教材ごとに児童生徒一人ひとりのID発行を行う必要があり、教職員の業務負荷となっていた。同ポータルでは、校務支援システムなどに登録した児童生徒情報を読み込むことで、デジタル教科書・教材の利用開始に必要なIDを一括に発行することが可能。
Web利用者台帳管理機能
これまでさまざまなファイルで管理していた各デジタル教科書の利用者情報を、同ポータルに集約し、一括管理することが可能。利用者情報の修正や追加もファイルを都度開くことなく、ポータル上の画面で可能となり、情報の散在を回避し、データガバナンスの強化につながる。
スムーズなデジタル学習を推進する各種機能を実装
「本棚機能」は、同ポータルに対応する全ての教科書・教材が一覧表示され、教科書・教材をクリックすると個々のアプリの本棚を挟まず、すぐに目的の教科書を開くことが可能。また、学校ですでに利用しているID・パスワードでシングルサインオンができる。学習eポータルなどの各種学習サービスとの連携も視野に、スムーズなデジタル学習や教育DXを実現する。
同協議会は、今後も教科書発行者・教育ICT関連事業者などの参加を募り、ICTを活用した教育・学習支援サービスの開発やコンテンツの拡充を図りながら、サービスの連携や教育データの活用検討などを行い、全国の小中学校の教育DXを推進したい構え。