フリマアプリのメルカリは6日、数時間単位で働ける単発の仕事を仲介するスポットワークサービス「メルカリ ハロ」の提供を開始した。フリマアプリ「メルカリ」に“はたらく"タブを追加し、ファミリーマートや日本郵便をはじめとする大手事業者の求人を掲載する。社数は非公開だが1都3県から求人掲載を開始し、全国4万カ所以上の店舗の求人を順次公開していく。
メルカリで本人確認・銀行口座を登録済みの18歳以上のユーザーは、面接・履歴書不要で、最短1時間から働ける。コンビニや飲食・カフェ、アパレル・小売、物流・倉庫、ドラッグストア、ホテル、ジムなど、さまざまな業種・職種の中から自分に合った仕事を好きな時間帯で選ぶことが可能だ。なお、外国籍の人は就労資格が必要。
また、給与は最短翌日振込で受け取ることができ、将来的にはメルペイを通じた給与デジタル払いで受け取れるようになる。厚生労働省への申請も含め現在準備中とのことだ。
6日の記者発表会でメルカリ 執行役員 CEO Workの太田麻美氏は「だれでも、すぐに、簡単に働けるサービスを実現し、スポットワークを身近なものにしていく。メルカリとスポットワークの相性は非常に良い」と説明した。
ライフスタイルに合わせて柔軟に働く時間を選択できるスポットワークの利用は拡大している。スポットワーク協会によると、タイミーなど大手4社の登録会員数は1070万人を超えた。タイミーの「ワーカー」と呼ばれる働き手は累計700万人を超えた。
一方で、メルカリは月間2300万人を超えるユーザー基盤が強みだ。メルカリで23年11月に行った調査では、「スポットワークを利用したことはないが、利用意向がある」と回答した人は約32%に上り、月間利用者約2300万人の中に約750万人の潜在スポットワーカーが存在すると同社は試算している。
「すでに1400万人以上が本人確認済みだ。普段から使い慣れているメルカリで、買い物を楽しむ感覚で気軽に仕事に出会える」(太田氏)
事業者はメルカリの審査を経てから登録を行う。メルカリは求人マッチングに応じて、給与と交通費の合計の30%を手数料として事業者から徴収する。働き手である利用者からは徴収しないビジネスモデルだ。
働き手の評価にも力を入れる。働き手の自己都合でキャンセルするなどの行為が見られる場合、メルカリのアカウントの停止や、一定期間マッチング停止するなどのペナルティを課す。金銭的なペナルティはない。
またメルカリは、はたらく機能に特化した別の専用アプリ(iOS/Android対応)もリリースする。週に複数回など、より高い頻度で働きたい人や常に最新の求人情報をチェックしたい人は専用の別アプリを通じて、応募状況や今後のスケジュール、新着の求人情報を確認・管理することができる。
初期の求人募集パートナーの主な事業者は、ファミリーマートや日本郵便、アート引越センター、カラオケ館、コメリ、スギ薬局、ライザップなど。日本郵便で仕分け作業や、ライザップが運営する「chocoZAP」で清掃作業をしたりする。
また、3月31日までメルカリ ハロでの勤務ごとに1000ポイントを付与(最大10回)するキャンペーンも実施する。働いた先で使える「まかないクーポン」も今後提供していく考えだ。
メルカリは7日以降、東京都と埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県の店舗で働けるようにする。今後、全国4万カ所以上の店舗の求人を順次公開していく考え。
一方で、タイミーが6日に報道関係者向けに公開した情報によると、タイミーにおいて、2023年に365日連続で求人掲載があった都道府県は100%で、日本全国47都道府県だったという。また、2023年に1度でも求人掲載があった市区町村が96.2%とタイミーの利用が日本全国に拡大していることが分かった。
太田氏は「すでに1都3県以外の事業者から求人を掲載したいという声を多くもらっている。できるだけ早く全国に広げていきたい」と述べていた。