日本マイクロソフトは5日、同社の生成AI(人工知能)機能「Microsoft Copilot(コパイロット)」の最新情報を紹介するカジュアルなイベント「Café Copilot」を開催した。Copilotの最新情報に加えて、効果的なプロンプト(指示文)を書くコツなどが紹介された。
同イベントに登壇したマイクロソフト ディベロップメント WWE Japan 開発統括本部 プロダクト マネージャーの篠塚祐紀子氏は「プロンプトは回答のトーン、スタイル、品質を左右し、良いプロンプトは優れた文章や画像を引き出す」と説明した。
効果的なプロンプトを書く3つのコツ
篠塚氏は続けて、生成AIツールから望んだ回答を引き出すためのプロンプトを書くためのコツを3つ紹介した。
目的を説明する
1つ目のコツは、目的を説明すること。
「『このPDFの要点をまとめて』のように、何を解決したいか、何を知りたいかを伝える。複雑な指示は、各ステップに分割して伝えると効果的だ」と、篠塚氏は解説した。
目的をしっかりと説明することで、通常の検索としても使用でき、プレゼンテーションや報告書作成の補助としても活用できる。「私自身、普段からCopilotを使っており、普通の検索に戻れないでいる」(篠塚氏)
場面と役割を設定をする
2つ目のコツは、場面と役割を設定すること。
例えば「来週、就職面接があります。そのための準備やよくある面接の質問についてアドバイスしてください」や、「中学2年生の理科の先生になったつもりで、回答してください」のように、役割を定義してから質問や指示を行う。
「1回の回答で満足がいかない場合は、同セッション内で続けて条件を入力すると効果的。ビジネスのアイデア出しや壁打ち相手として使える」(篠塚氏)
回答の表現や出力方法を伝える
3つ目のコツは、回答の表現や出力方法を伝えること。
「かしこまった表現の季節の挨拶を教えて」や「カジュアルなトーンでメールを書いて」のように回答の表現やトーンを指示したり、「表にまとめて」や「3個箇条書きにしてまとめて」のように出力方法・形式を指示したりすることで、効果的な回答が得られるという。
「これは、自分にとって使いやすい、かつ加工しやすい形式で出力してもらうための重要なステップ。Excel(エクセル)で読み取り可能なファイル形式にデータをエクスポートできる機能もある」と篠塚氏は説明した。
また、Copilotが得意な翻訳に関しても、「丁寧に謝りたい時の英語の言い方を教えて」といったように表現を指示することで出力の幅が広がるとのこと。
「色々試してみることが大事」
一方で、プロンプト作成の利点は、複数のアプローチを試して、何が最も効果的か確かめられる点だ。異なる長さやトーン、言い回しを気軽に試してみることが重要だという。最初の結果が求めていたものと違ったら、プロンプトを微調整して再度入力することがポイントだ。
篠塚氏は「紹介したのはあくまでもコツ。思ったまま、自然な会話にまかせて気軽にCopilotを使ってほしい」と述べていた。