Linuxiacは3月3日(現地時間)、「Linux Crosses 4% Market Share Worldwide」において、デスクトップOS市場におけるLinuxのシェアが2024年2月末時点で4.03%に到達したと伝えた。1991年にLinuxが登場して以来、デスクトップPC向けの用途でシェア4%を超えるのは初めてだという。Linuxiacは、ここ最近のシェアの急伸についても取り上げている。

8カ月間で約1%シェア拡大

シェア4.03%という数字は、Webトラフィック分析ツールの大手であるStatcornerによる最新のレポートによるものである。デスクトップOSとしては、Windowsが72.13%という圧倒的なシェアを誇っており、次いでOS X (macOS)が15.46%、不明が6.11%、Chrome OSが2.26%となっている。

  • デスクトップOSのシェアの変遷 出典:Statcounter

    デスクトップOSのシェアの変遷 出典:Statcounter

興味深いのは、ここ最近におけるLinuxのシェアの変化だ。Statcornerのレポートでは、デスクトップOSにおけるLinuxのシェアは、2020年2月時点で1.91%、2021年2月時点で1.98%、2022年2月時点で2.19%となっており、微増傾向ではあるがそれほど大きな変動はない。2023年2月時点で2.94%まで拡大し、同6月に3.07%となって初めて3%を突破した。そして、そのわずか8か月後に4.03%まで拡大している。

Linuxiacでは、Linux人気が高まっている要因として、オープンソースであることによる柔軟性やコントロール性、セキュリティの高さなどが、開発者やITプロフェッショナルの間で評価されていると分析している。しかし、これらの特徴は古くからLinuxが備えていたもので、近年になって追加されたわけではない。

別の要因として、UbuntuやFedora、Mintなどのディストリビューションがユーザーフレンドリーな設計に目を向けて改善を続けてきたことも挙げられている。もともとサーバ用途では人気があったLinuxだが、近年ではGUI環境も充実し、デスクトップ用途としても十分に満足できるものになってきている。加えて、仮想化ツールの普及によって2番目のOSとしてLinuxを利用し易くなったこともシェア拡大に貢献していると考えられる。

将来的に、デスクトップ用途でWindowsやmacOSよりもLinuxのシェアが高くなる可能性は極めて低いだろう。しかしいずれにしても、Linuxデスクトップ環境が充実し、ユーザーにとっての選択肢が広がるのは歓迎すべきことである。