NECは3月5日、製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けて、映像認識AIを活用して製造現場で撮影された映像から人の作業内容を自動で認識・時間計測する「NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューション」を製品化し、同日より販売活動を開始したことを発表した。
なお、料金はオープン価格で、2年間で100ライセンスを販売目標として設定しているという。
NEC ものづくりDX映像AI分析ソリューションの概要
同ソリューションは、複数の映像認識AIを統合したNEC独自の映像認識AIを活用したもの。あらかじめAIに人の姿や製品・工具などを学習させているため追加学習が不要であり、簡単なマウス操作によりノーコードでさまざまな作業の検知モデルの作成が可能となっている。
これにより、ものづくり形態や製造現場の環境を問わず、人の作業を効率的かつ網羅的に可視化することができ、人員配置や作業手順の最適化を実現し、生産性向上や品質安定化、安全性向上などに貢献するという。
ソリューションの特徴
同社はソリューションの特徴として以下の3点を挙げている。
追加学習不要でさまざまな作業内容を分析し可視化
組立作業やメンテナンス作業などに従事する人の姿や製品・工具などをあらかじめAIに学習させているため、学習モデルを作成する時間やコストが不要。
また、人・姿勢・装着品・物体など複数の映像認識AIを統合したNEC独自の映像認識AIを活用しているため、複数の条件設定を組み合わせることで作業時間計測、作業種別・作業滞留・ジェスチャーなどさまざまな検知ができるという。
さらに、AIに搭載している学習モデルにない物体や動作については、数枚の画像を登録することで認識を可能としている。
シンプルなGUIにより検知モデルの容易な作成や実行管理・可視化が可能
シンプルなGUI(Graphical User Interface)により、読み込んだサンプル映像をもとに「何が」「どこで」「どうなったら」「何をする」といった作業の検知モデルを、簡単なマウス操作によりノーコードで作成できる。また、映像の録画、検知の実行管理、検知結果の可視化まで作業分析に必要な一連の作業に対応したGUIも実装し、操作性を高めているという。
ビデオ管理ソフトウェア「Milestone XProtect」と連携
ビデオ管理ソフトウェア「Milestone XProtect」とセットで提供されることにより、これから映像収集を始める企業でもカメラを準備すれば即日利用を開始できる。
NECは、今後もAI・IoT、ロボティクスなどの先進技術を活用し、製造現場におけるDXの推進とイノベーションの創出に貢献していきたい考え。