マネーフォワードは3月1日、SALESCORE(セールスコア)と両社の強みを生かして金融機関向けDX(デジタルトランスフォーメーション)を軸にしたセールスイネーブルメント支援を共同で行うべく、業務提携契約を締結したと明らかにした。
業務提携契約の背景
マネーフォワードは2015年から自社のプロダクト開発や事業展開で培った知見やノウハウを生かして「Money Forward X」部門で金融機関のデジタル化をサポートしてきた。一方、SALESCOREはセールスイネーブルメント、つまり営業組織が継続的な成果を上げていくために必要な売れるメカニズムの解明、人材育成、組織改善に関して、戦略立案から意識改革、制度設計、仕組み化の定着といった実行までを一気通貫で提供している。
効果的な営業活動を行うためには、CRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)といった営業活動をサポートするITツールを活用したDXが欠かせないが、金融庁の調査では大半の地銀が営業活動におけるデータ活用を進めているものの、データ分析に使っているのは大半が表計算ソフトで、データ分析などの専門ソフトの利用率は36%にとどまっているという。
また、中小企業庁による調査でもセールス分野でITツールを導入している企業は全産業の32.7%と低い結果が出ているほか、ツールを導入した企業内でもツール活用に適した組織体制になっていない、データを入力してデータをもとにマネジメントをする習慣がない、勝ち筋の型化とその共有や実践への落とし込みができていないなどの課題が山積しているとのこと。
業務提携の内容
今回の業務提携は、これらの課題に対するソリューションを、金融機関の営業組織に最適化して提供することを目的にしている。
特にSALESCOREにはCRMの導入支援だけでなく、現場マネジメントを含めた組織への伴走で、文化の定着までをサポートしてきた実績があるという。マネーフォワードが持つアカウントアグリゲーション技術を活用すると、金融機関が持つトランザクションデータをCRMなどと連携できるため、SALESCORE社の支援領域で、より高度なコンサルティングサービスの提供が可能となる。
Money Forward XとSALESCOREは両社の強みを生かし、金融機関の営業組織におけるデータ利活用、さらにはDXを推進することで、現場の非効率をなくし、ユーザーに向き合う営業組織がモチベーションを高く保つための仕組み化を加速していく考えだ。