ルネサス エレクトロニクスは3月1日、印Tube Investments of India LimitedおよびMurugappa Group傘下の印CG Power and Industrial SolutionsならびにタイのOSAT企業Stars Microelectronics(Thailand)との間に、インドにて半導体後工程の組立・テストを請け負うOSAT工場を構築・運営する合弁会社設立を目的とした合弁契約を締結したことを発表した。また、同建築・運営プロジェクトは2月29日付で、インドの連邦内閣が同国の半導体スキームに基づき承認されたことも明らかにされた。
この合弁会社については、インド政府が掲げる施策「Make in India for the World 」のもと、3社それぞれの専門知識を組み合わせた形での活用が予定されている。3社の役割としては、CGが86年にわたる製造業の知見をもとに、インド国内の半導体製造能力の向上とエコシステム構築を目指すほか、ルネサスが先端半導体技術やその知見を提供し、Stars Microelectronicsが従来型パッケージ技術やトレーニング・人材育成プログラムなどを提供することが予定されている。
出資比率はCGが92.3%、ルネサスが6.8%、Stars Microelectronicsが0.9%で、合弁会社は今後5年間で760億インドルピーを投資する計画で、その資金については、政府などからの補助金ならびに3社からの出資に加えて必要に応じて銀行からの借り入れで賄うとしている。
OSAT工場の建設地はインド・グジャラート州サナンドで、1日当たり1500万個の生産能力を有する工場へと増強する予定。QFNやQFPなどの従来型パッケージに加え、FC-BGAやFC-CSPといった先端パッケージまで、IoTや5G、自動車などの幅広い分野に向けた半導体製品の製造を行う予定だという。
なお、CGのChairmanを務めるSubbiah Vellayan氏は、この取り組みに対し、「CGは、半導体製造業に参入することで、事業の戦略的な多角化を図ります。ルネサスおよびStars Microelectronicsと協業することで、より早く技術を習熟でき、イノベーションと技術的卓越性の追及に専念することができます。この取り組みは、インドとして国を挙げての重要な局面をもたらすものであり、我々は、半導体の製造能力やエコシステムを構築することを目指します」と、インドに半導体産業を根付かせることに対しての意欲を表明している。