「LOCONDO.jp」などのECモールを運営するジェイドグループは2月29日、「マガシーク」や「d fashion」といったファッションECモールを運営するマガシークを子会社化すると発表した。マガシークの発行済み株式のうち、NTTドコモ(ドコモ)が保有する75%と、伊藤忠商事が保有する3%の株式を取得し、78%を保有する予定。
株式の譲渡契約は、ドコモとは2月29日に締結し、伊藤忠商事とは3月4日に締結する予定。株式譲渡は、ドコモからは3月1日に実施し、伊藤忠商事からは3月6日に実施する予定だという。
ジェイドグループとドコモは業務提携契約を締結し、これまでマガシークが運営してきたドコモのファッション通販サイト「d fashion」の運営にも参加する。今後はドコモ、ジェイドグループ、マガシークの3社がそれぞれ培ってきた企業ブランド、顧客基盤、品ぞろえ、ノウハウ、経験などを活用し、より利便性の高いサービスを目指すという。
ジェイドグループは伊藤忠商事との業務提携契約を継続する。伊藤忠商事はマガシークの発行済み株式の22%を継続保有する。Reebok Japanを運営するRBKJも、ジェイドグループが66%、伊藤忠商事が34%の株式を保有しており、マガシークもRBKJと同様にジェイドグループと伊藤忠商事との共同運営会社となる。
ジェイドグループは2018年からファッションEC市場における「圧倒的な2位」を目指すと中期ビジョンで発表していた。今回の株式取得によってグループ取扱高は300億円(2024年2月期計画値、親子相殺前)から、600億円(概算値。ジェイドグループ 300 億円、マガシーク 300億円(2024年3月期見込値))と2倍の規模へと拡大することで、この中期ビジョンを実現できる。さらに2030年度までの長期ビジョンとして「取扱高1000億円」を目標としており、今回の株式取得で目標の水準に一気に近づくことができる。
今回の株式取得によって、以下のシナジーが見込めるという。
①LOCONDO.jpとマガシーク社が運営するECサイトの物流・IT インフラを共通化する事によってECにおいて最重要な「品ぞろえ」の拡充が実現できる
②それぞれの顧客を取り込むことによってグループ全体のユーザー層基盤の拡大が実現できる
③ECソリューション (B2B) 事業を提供しているブランドに対し、ジェイドグループの IT・物流内製化プラットフォームを提供する事によって高品質・低コストのサービスを提供する事が可能になる
④グループ全体でヒト・モノ・カネの戦略的なポートフォリオ運営をする事によってグループ全体の成長戦略の広がりを加速できる
さらに、ジェイドグループは、日本の通信業界を牽引する携帯電話会社が「集客」を支援し、日本のファッション業界を牽引する総合商社が「品ぞろえ」を支援するという、ECにとっての2大重要要素を、各業界のリーディングカンパニーが支える完璧なバックアップ体制が構築されると期待している。
「ファッションEC業界の取扱高1位を目指すためのパートナーシップの構築」という、将来に向けた大きな価値を得られたと意気込みを表明している。