TSMCは2月29日、臨時取締役会を開催し、同社R&D担当シニアバイスプレジデントであるY.J. Mii氏、ならびに同社オペレーション担当シニアバイスプレジデントであるY.P. Chen氏の2名を、新たにエグゼクティブバイスプレジデント 兼 共同最高執行責任者(Co-CEO)に任命することを承認したと発表した。
この新たな人事を踏まえ、TSMCの2人の新Co-COO、ならびに人事、財務、法務および経営企画組織は、最高経営責任者(CEO)のC.C. Wei氏に直接報告する形となり、これら以外の組織はCo-COOに報告を行うレポートラインとなるとしている。この新しい組織体制は2024年3月1日付で実施されるという。
これまでのTSMCは、Mark Liu会長とC.C.Wei CEOの二人三脚体制で、COOは空席となっていた。しかし、Mark Liu会長は2024年6月の株主総会後に退任する予定であることが公にされており、C.C. Wei CEOを補佐する人物を選任し、新たな体制を構築する必要があった。
Y.P.Chen氏は、1987年の同社設立時に入社。Fab 1のディレクターや7nmプロセスにいたる各世代の歩留まり向上のサポート、各種特殊プロセス開発の管理などを担当。2016年にシニアバイスプレジデントに就任する以前は、製品開発担当バイスプレジデントを務めていた。
一方のY.J. Mii氏は、1994 年にFab 3のマネージャーとしてTSMCに入社。2011年に、研究開発担当バイスプレジデントに就任した後、2016年にシニアバイスプレジデントに就任している。90nm、40nm、28nmテクノロジーの開発管理ならびに、16nm、7nm、5nm、3nmおよびそれ以降の研究開発の先頭に立つ人物で、TSMCの技術的リーダーシップをけん引してきたという。