ADEKAは、次世代半導体向け新規材料の量産体制構築に伴う生産スペースの確保を目的に、連結子会社である韓国のADEKA KOREA全州第3工場内に、製造棟を新設することを決定したと2024 年2月28日に発表した。

近年、5G通信やAI大など高度なICT社会の実現のためには半導体が必要不可欠という認識が高まっているが、その半導体そのものも、さらなる情報処理の高速化や消費電力の低減に向けたプロセスの微細化が進んでおり、これを実現する先端材料に対するニーズが高まりを見せている。

ADEKAグループの中期経営計画「ADX 2023」(2021-2023 年度)では、「次世代ICT分野」が重要分野の1つと位置付けられており、先端半導体材料を中心に積極的に投資を実行してきており、これまでにも日本・韓国・台湾における研究開発ならびに生産体制の構築が推進されてきたという。

特に ADEKA KOREAでは、大手メモリメーカー2社が拠点を構えていることもあり、先端半導体メモリ向け高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズの増産と製品ラインナップ拡充のための積極的な設備投資が実施されてきた。

今後も微細化に欠かせない製品群として、次世代半導体デバイス量産化の際に新規材料をいち早く安定供給するべく、短い工期で量産体制を整える必要性を考慮した結果、製造棟を新設する運びとなったと同社では説明している。

これまでADEKA KOREAでは先端半導体材料の製造は主に全州第2工場が担当してきたが、今回の投資は2022年に用地を取得した全州第3工場としており、新棟では次世代以降のDRAMならびに次世代ロジックやNAND向け材料を量産する予定だとしている。

なお、ADEKAグループは主力製品である半導体メモリ向け材料の拡大はもとより、ロジック半導体向けへと領域拡大を推し進めていくことで、世界トップの半導体材料メーカーを目指すとしている。