東芝は神奈川県川崎市にある小向事業所内に、同社グループの先端研究開発のランドマークとなる新たな研究開発拠点「イノベーション・パレット」を開所、オープニングイベントを開催したことを発表した。
イノベーション・パレットへの投資額は約340億円で、2023年11月に竣工。コーポレート(本社)の研究開発機能と、東芝デバイス&ストレージの半導体事業部および研究開発部門を集約した形で、2024年1月より執務を開始済みだとのこと。
東芝は、現在の研究開発センターの前身となる中央研究所を1961年に設立し、これまで日本語ワードプロセッサやNAND型フラッシュメモリなど数多くの世界初となる技術を生み出してきた経験を有している。現在、同社グループでは、「カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現」「誰もが享受できるインフラの構築」「繋がるデータ社会の構築」を目指した取り組みを加速することを目指しており、2023年9月にはドイツに新たな技術拠点「リジェネラティブ・イノベーションセンター」を開設するなど、オープンイノベーションを活用した研究開発体制の構築を推進している。
今回開設されたイノベーション・パレットについて同社はグループ全体としての「技術の最重要拠点」だとしている。名称でもある“イノベーション・パレット”には、地球規模の課題解決に向け、そこに集う研究者やスタッフ、顧客やパートナー、来訪者の多彩な個性を「色」に例え、混ぜ合わせて共に未来を描き、イノベーションを生み出す場「パレット」にしたいという思いが込められているという。
その特長は主に3つあり、「Activity-Based Working(ABW)」として、部門の壁や固定席をなくし、仕事のやり方にあわせて働く場所を選ぶスタイルを採用したほか、顧客やパートナーなどとの共創に向けたコラボレーションスペースや社外の人も交えて開催する展示会などに活用できるスペースを設置するなど、東芝の創業者にちなんだ「共創空間」を用意し、顧客などが気軽に足を運べる研究所を意識したとする。また、東芝グループが有するさまざまな設備や最新技術を活用したサービスのショーケースとして、先進実証ができるような「ライブ実験場」としての役割を建屋全体に持たせており、そうした技術実証を通じて新たな価値の創出を目指すともしている。
なお、イノベーション・パレットは13階建ての高層棟と4階建ての低層棟で構成されており、建築面積は約1万400m2、延床面積は約7万3400m2で、約3000人が収容できるという。。