Microsoftは2月22日(現地時間)、Windows Insiderプログラム向けにリリースした最新のWindows 11 Insider PreviewビルドでWi-Fi 7のサポートをアナウンスした。Wi-Fi 7はIEEE 802.11be Extremely High Throughput (EHT)とも呼ばれる次世代の無線LAN通信規格であり、320MHzチャネルによる高いスループットや、複数の帯域を同時に使用できるマルチリンクオペレーション(MLO)などを備えている点が大きな特徴。理論上の最大通信速度は46Gbpsで、これは現行のWi-Fi 6/6Eの約4.8倍、Wi-Fi 5の約6.7倍となる。

  • Wi-Fi CERTIFIED 7の認証マーク

    Wi-Fi CERTIFIED 7の認証マーク

Windows Insider Preview Build 26063でWi-Fi 7が利用可能に

Wi-Fi 7のサポートは、Windows InsiderプログラムのCanaryチャネル向けに公開されたInsider Preview Build 26063で利用可能になった。Wi-Fi 7対応のアクセスポイントがある場合、Windows 11にこのビルドを適用することで最新のIEEE 802.11be規格を利用した通信が可能になる。

Build 26063の詳細は次のリリースノートにまとめられている。

  • Wi-Fi 7アクセスポイントに接続した場合のWindows上のWi-Fi設定画面 出典:Microsoft

    Wi-Fi 7アクセスポイントに接続した場合のWindows上のWi-Fi設定画面 出典:Microsoft

Wi-Fi 7の主な特徴

Wi-Fi 7に関する詳細は、Wi-Fi Allianceの次のページにまとめられている。

主な新機能としては、以下が挙げられる。

  • 6GHz帯でのみ利用可能な320MHzチャネルによって、Wi-Fi 6の2倍のスループットを実現する
  • 2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯を同時に使用できるMLOで、ネットワークの輻輳を回避してスループットと信頼性を向上させる
  • 4K-QAM(4096-QAM)変調によってデータ伝送速度が20%増加する
  • 512 Compressed Block ACKによって無線通信のオーバーヘッドを削減する
  • Multiple RUs to a single STAによってスペクトル効率が向上する

Microsoftでは、Wi-Fi 7を「ワイヤレスデバイスに前例のない速度、信頼性、効率を提供する革新的なテクノロジー」と評価している。