アイ・ティ・アール(ITR)は2月27日、国内のIGA(Identity Governance and Administration)市場規模推移および予測を発表した。これによると、同市場の2022年度における売上金額は2021年度から58.7%増の11億9000万円であり、2023年度は、前年度比75.6%増の20億9000万円に拡大するという。

IGAは、アイデンティティ(ID)のガバナンスと管理を行うソリューションのこと。クラウド・システムの利用増加に伴い、過剰な権限や相反する権限の付与による情報漏えいや内部不正といったセキュリティ・インシデントも増加している。

このため、IDの適切な管理とガバナンス、職務分掌などのセキュリティ強化のニーズを受けて同市場が立ち上がり、セキュリティ意識が高くセキュリティ投資に積極的な大企業を中心に導入が拡大しているという。

同社は、同市場の2022~2027年度におけるCAGR(年平均成長率)は28.1%、2027年度の市場規模は41億円に達すると予測している。

  • IGA市場規模の推移と予測 出典: ITR

同社のコンサルティング・フェローである藤俊満氏は、「IGAとは、従来のID管理に加え、ワークフローによるIDのライフサイクル管理やプロビジョニング、適切なアクセス制御とID棚卸、監査機能を含んだ製品を指します。ID管理は、情報セキュリティポリシーに沿ってIDの発行・設定から、変更・削除までを包括的に管理することが必要であり、IGAのようなソリューションを使用することで迅速かつミスなく運用・管理することが可能となります。国内では大企業を中心に採用企業が増え、参入ベンダーも増加しており、今後も市場は好調に拡大するとみています」とコメントしている。