電通は2月26日、日本の総広告費および媒体別・業種別広告費を推定した「2023年 日本の広告費」を発表した。日本の総広告費は、過去最高の7兆3167億円(前年比103.0%)になったという。
総広告費に占める構成比は45.5%
2023年の総広告費は、通年で7兆3167億円(前年比103.0%)で過去最高を更新。上半期(1-6月期)は、新型コロナの5類感染症移行に伴うリアルイベントの開催数増加や国内外の観光・旅行の活性化などにより回復。下半期(7-12月期)は夏〜秋の猛暑や中東問題などの影響を受けたものの、社会・経済活動の活発化に伴い「交通・レジャー」「外食・各種サービス」「飲料・嗜好品」を中心に広告需要が高まったと電通はみている。
媒体別広告費では、マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)は2兆3161億円(前年比96.6%)で、「雑誌広告費」と「ラジオ広告費」は増加したものの、「新聞広告費」と「テレビメディア広告費」が減少。インターネット広告費は3兆3330億円(前年比107.8%)で総広告費に占める構成比は45.5%に達したという。
インターネット広告費、成長の理由は?
インターネット広告費は、3兆3330億円(前年比107.8%)と過去最高を更新。成長の理由として、インターネット回線へ接続されたテレビ端末の利用拡大による動画広告需要の増加や、デジタルプロモーション市場の拡大を挙げた。内訳としては「インターネット広告媒体費」が2兆6,870億円(前年比108.3%)、「テレビメディア関連動画広告費」が443億円(同126.6%)と増加したほか、「物販系ECプラットフォーム広告費」は2101億円(同110.1%)、「インターネット広告制作費」も4359億円(同103.7%)とそれぞれ増加した。
プロモーションメディア広告費は1兆6676億円(前年比103.4%)で、その中で「イベント・展示・映像ほか」は、3845億円(前年比128.7%)と大きく増加。その要因として、コロナ禍明けにイベントが再開し大規模化したことや、インバウンド需要の回復によりエンターテインメント施設での催事企画が増加したことを挙げた。また、大型でインパクトのある企画が増加した「交通広告」や「屋外広告」も、プロモーションメディア全体の成長に寄与したということだ。