仏Mistral AIは2月26日、対話型AI「Le Chat」(β版)および大規模言語モデル「Mistral Large」を発表した。OpenAIの「ChatGPT」に対抗するものと位置付けられる。そのOpenAIの支援で知られる米Microsoftとの提携も発表した。
Mitral AIは元GoogleのDeepMindメンバーなどが立ち上げたフランスのAIベンチャー企業で、70億パラメーターを持つ言語モデル「Mistral 7B」などを開発する。オープンなアプローチを特徴とし、Mistral 7BはApache 2.0で公開されている。
なお、Mistral 7Bは2023年9月のリリース当時、利用可能な130億パラメータまでのオープンなモデルで、標準的な英語とコードのベンチマークで最高値を叩き出したとしている。2023年5月の設立後、数週間で1億ドル以上の資金調達を行なった。
Mistral Largeは、英、仏、伊、独、スペイン語をサポートした大規模言語モデル。デフォルトで32kトークンのコンテキストウィンドウをサポートしており、入力ではトークン100万個につき8ドル、出力は100万個につき24ドル。Mistral Largeのほか、Mistral Small、Mistral Embedも用意する。同社のダッシュボード「La Plateforme」よりアクセスできる。
β公開したLe Chatは、Mistral Large/SmallなどのMistral AIのモデルを使うことができる。無料で誰もが利用できるが、企業向けの有料版を提供する予定もあるという。
また、Mistral AIとMicrosoftは同日に提携を発表し、「Azure AI Studio and Azure Machine Learning」経由でMistral Largeを提供するとした。
Microsoft プレジデントのBrad Smith氏は「複数年」の提携であるとFinancial Times紙にコメントしている。出資金額は開示していないが、株式は保有していないとのこと。提携を通じて「欧州の政府むけに(AIを使った)アプリケーション構築において研究開発やコラボレーションを行う」と述べている。