PingCAPは2月26日、ゲーム業界、金融業界、Eコマース業界のエンジニアと上層部を対象に実施した「データベースの課題」に関する調査結果を公表した。データベースの利用で抱えている課題について、7割近くが「性能」と回答した。

  • 現在、利用しているデータベース

    現在、利用しているデータベース

データベース利用の課題、1位は「性能」

この調査結果は、ゲーム業界、金融業界、Eコマース業界のエンジニア517人と上層部(マネージャー以上からCTO、CPOまで)の層515人の計1,032人を対象に、1月11日~15日の期間実施した「PRIZMA」によるインターネット調査の結果に基づく。

ゲーム業界、金融業界、Eコマース業界のエンジニアに、現在利用しているデータベースを聞くと、「Amazon Aurora / Amazon RDS for MySQL」が39.3%で最多。次いで「Google Cloud Spanner」(26.9%)、「Google Cloud SQL」(24.4%)であった。

データベースの利用において抱えている課題を尋ねると、1位が「性能:レスポンスが悪い、DBの性能向上の限界を迎えている」(66.7%)。次いで「コスト:コストが高い」(37.5%)、3位が「移行:DB固有の機能を利用して移行が難しい、DBバージョンが古い」(21.9%)となった。

  • エンジニアが抱えるデータベースの課題第1位は「性能」

    エンジニアが抱えるデータベースの課題第1位は「性能」

データベースの利用における改善すべき点は?

データベースの利用における改善すべき点として、レスポンス速度/スピードと容量バランス/別システムへの移行が難しい/システム使用料が高いのでなんとか抑えてはいきたい/コストパフォーマンスの改善──といった声があがった。

一方、上層部(マネージャー以上~CTO、CPOまでの層)にデータベースにおいて抱えている課題を質問すると、「性能:レスポンスが悪い、DBの性能向上の限界を迎えている」が68.6%で最多。以下、「コスト:コストが高い」(46.2%)、「移行:DB固有の機能を利用して移行が難しい、DBバージョンが古い」(34.8%)と続いた。

  • 上層部が抱えるデータベースの課題も現場のエンジニアと同様に「性能」

    上層部が抱えるデータベースの課題も現場のエンジニアと同様に「性能」

改善すべき点について具体的に尋ねると、レスポンスが遅い/容量の拡大とスピードアップ/コストカット/クラウドに集約させることでコストパフォーマンスと時間的な制約を減らすようにしたい/処理が集中した場合、レスポンスが遅くなること。資金をかければ解決するかもしれないが、ランニングコストを考えると二の足を踏む──といった声があがった。

今後考えている施策は?

データベースの活用について、今後考えている施策があるか尋ねると、「既に新しい施策の実施に向けて動いている」 (23.3%)、「新しい施策を検討中である」(46.4%)、「検討したいが、具体的なことは何も決まっていない」(19.8%)、「特に何もない」(10.5%)と続き、約7割の企業でデータベースに関する新しい施策を検討していることが明らかになった。

  • 約7割の企業がデータベースに関する新しい施策へ積極的

    約7割の企業がデータベースに関する新しい施策へ積極的

それらの施策について具体的に聞くと、新しいプラットフォームの導入/システム変更/クラウド環境に移行/新しいデータベースへの置き換えを移行、開発中──といった声があがった。

今回の調査で、現場のエンジニアがデータベースの課題と上層部が抱える課題に大きなギャップはなく、双方が性能面に最も課題を感じていることが明らかになった。さらに、コストと移行についても改善したいと考えている人が多いことが示された。