大阪・和歌山に実店舗を構えるBATONは、クッキー缶のデザインを大切にしている。ストーリー性のあるデザインにし、顧客にワクワクしてもらえるような商品を開発している。限定缶にもストーリーを付け、非日常のような世界観でファンを拡大している。
ECサイトでは、「コバト缶」というクッキー缶をメインに販売している。実店舗で販売していた際に、「オンラインでも売ってほしい」という声があり、ECサイトを開設したという。観光客の多い大阪の実店舗に来る顧客が、どこでも購入できるようサイトを立ち上げた。
コロナ禍に入り、自家需要が高まり、ECサイトの売れ行きは2~3倍に増えた。売り上げを維持するため、アーティストやイラストレーターとのコラボ商品などの訴求を強化した。
「2023年から、イラストレーターとのコラボを開始した。ストーリー性やデザイン性にもこだわっている。今後、1年に1回はコラボをしていきたい」(統括マネージャー・山本友美氏)と話す。
クッキー缶のデザインは、同社で考え、他社にないような物を考えている。パン工場で働く「工場長」がモチーフとなっているキャラクターを設定し、ストーリーを考えている。
ポストカードにデザインを書き、文章を執筆し、全ての缶に付けている。他社と差別化を図るため、ストーリーで楽しさを与えられるようにしているという。
▲こだわりのデザイン
「非日常的なデザインとストーリーでワクワク感を出すことで、ファンが増えてきた。クッキー缶などはデザイン性があることで、また使いたいという思いが出てくると思うため、これからもこだわって作りたい」(同)と言う。
実際に、インスタグラムで「コバト缶弁当」として弁当箱の代用で缶を利用した投稿があり、話題を呼んだ。商品を食べた後に缶を捨てずに弁当箱として活用し、SNSにアップしてくれる人が多いという。
「コバト缶」のインスタグラムのアカウントがあり、そこでは缶の再利用方法を投稿している。小物の収納や、裁縫セットを入れるなど、使い方を投稿したり、弁当箱として使用し投稿してくれたものをリポストするなどしている。
▲実店舗の外観
「今は、季節などのイベントごとでのアピールが弱い点を課題としている。今後、父の日にはこういうセットがお薦めなどという分かりやすいサイトを整えていきたい」(同)と言う。
実店舗にはインバウンドの観光客の来店もある。今後はそういう人に向け、越境ECを視野にいれてサイト作りをしていきたいとしている。