村田製作所は、無線通信モジュールなどでの利用に向けて定格電圧100Vに対応する0402Mサイズ(0.4mm×0.2mm)の低損失積層セラミックコンデンサを開発したと発表した。2024年2月より量産を開始するとしている。
近年、5Gの普及が進んでいるが、5Gの特長である高速・大容量通信、多接続、低遅延を実現するため、複数の送受アンテナを用いて通信速度の向上を実現する技術である「MIMO」が導入されるケースが増えているという。
MIMOの活用には、複数の送受信機が必要となることもあり、無線通信回路のモジュール化ニーズも高まっているが、モジュール化へ際して部品の搭載スペースは縮小される傾向にあるため、小型部品の需要が今後ますます高まっていくことが予想されているという。
こうした市場背景を踏まえ同社では、独自のセラミックおよび電極材料の微粒化・均一化による薄層成形技術と高精度積層技術を用いることで、150℃保証で定格電圧100Vの低損失チップ積層セラミックコンデンサを0.4mm×0.2mmサイズの超小型品で実現。従来品である0603Mサイズの積層セラミックコンデンサと比べて、実装面積比で約35%減、体積比で約55%減の小型化に成功。無線通信モジュールの小型化を可能にするほか、小型化による材料や生産時のエネルギー消費の削減にも貢献するとしている。
なお同社では今後も、高温保証対応や定格電圧拡大を進めるなど、市場のニーズに対応したラインアップ拡充を図っていくことで、電子機器の小型化・多様化および製品を通した環境への貢献に取り組みたいとしている。