サイバーエージェントは2月21日、デジタルインファクトと共同で実施した国内動画広告の市場調査の結果を発表した。これによると、2023年の動画広告市場は2022年と比べて12%増の6253億円であり、2027年には1兆228億円に達すると予測している。
加速する動画広告需要
2023年の同市場では、スマートフォン向け動画広告需要が2022年と比べて9.7%増の5048億円に拡大し、動画広告需要全体の81%を占める。
コネクテッド・テレビ向け動画広告需要は同37.0%増の740億円と、市場全体の成長を牽引する成長を遂げている。
動画広告市場は今後も高い水準の成長を維持し、2024年には7209億円、2027年には1兆228億円に達すると、同社は予測する。
縦型動画広告が急成長
広告の種類別に見ると、大手動画配信サービスにおけるインストリーム動画広告の需要増加が市場全体の成長を牽引した。また、スマートフォン向けに提供するインバナー広告の需要が好調に推移した。
ソーシャル・メディアでは縦型動画広告を中心に、広告主企業による動画フォーマットを使用したコミュニケーション需要が引き続き旺盛だという。
縦型動画広告に関しては、広告主企業による縦型動画を通じたコミュニケーション需要が急増し、2023年の市場規模は同56.3%増の526億円に達した。
縦型動画フォーマットの普及により、広告主企業には新たなクリエイティブ制作の対応が求められるという。
今後、生活者の日常における縦型ショート動画コンテンツの視聴時間が更に増加すると共に、クリエイティブ制作に関する技術発展により、広告主企業におけるクリエイティブ制作に関わる負荷が低減することで、縦型動画広告の需要はますます増加し、2027年には1942億円に達すると同社は予測する。
多様化が進む広告
今後の国内動画広告市場に関して同社は、大手動画配信サイトでは良質なコンテンツが多く提供され、テレビ・デバイスを通して視聴される動画コンテンツは、生活者にとって、放送とインターネットのいずれかのこだわりはなくなり両者の垣根はなくなりつつあると見る。
また、動画広告の配信先、広告媒体、広告フォーマットの多様化はますます進み、生活者の日常との接点は増える傾向にあるという。
広告主企業および広告事業者が、新しい技術を適切に取り入れながら、それぞれの生活者と、それぞれの場に適した広告表現によるコミュニケーションを続けることで、動画広告市場は引き続き高い水準の成長を継続すると、同社は予想している。