ベルギーの独立系先端半導体研究機関であるimecは2月16日(ベルギー時間)、裏面電源供給ネットワークを含む2nmプロセス(N2)を用いた半導体デバイスを設計するためのプロセスデザインキット(PDK)を公開すると発表した。また併せて、imecや独Fraunhoferなど欧州の5つの著名な研究機関によって構成されるコンソーシアムで、スタートアップや教育機関にIC設計支援や少量試作サービスを提供している「EUROPRACTICE」を通して、このPDKを用いたトレーニングプログラムを提供することも明らかにした。
このPDKは、Cadence Design SystemsやSynopsysなどのEDA(電子設計自動化)ツールに組み込まれ、幅広くアクセスできるようにする予定とのことで、これにより学術ならびに産業界は、将来の半導体スペシャリストを育成するためのツールを得ることができることとなり、チップ設計者は、テストおよび実証済みのコンポーネントのライブラリにアクセスして、機能的で信頼性の高い設計を行い次世代技術を用いた製品を開発できるようになるという。
PDKには、一連のデジタルスタンダードセルライブラリとSRAM IPマクロに基づくデジタル設計に必要なインフラストラクチャが含まれており、将来的には、より高度なノード(1.4nmなど)に拡張される予定だという。EUROPRACTICEは、このPDKを用いたトレーニングプログラムを2024年第2四半期初頭より提供開始し、加入者にGAA構造を用いたN2テクノロジーノードの特殊性を教えるなど、CadenceやSynopsysのEDAソフトウェアを使用したデジタル設計プラットフォームに関する実践的なトレーニングを提供するという。