アストロスケールは2月19日、自社で設計・製造した商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(Active Debris Removal by Astroscale-Japan:アドラスジェイ)」が2月18日23時52分(日本時間)にニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Labの第1発射施設(Launch Complex 1)より打ち上げられた後、無事に軌道投入されたことを確認したと発表した。
ADRAS-Jを搭載したRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」は、予定時刻の打ち上げ後、計画通りに飛行を続け、高度約600kmにてADRAS-Jを分離。アストロスケールは衛星分離後、ADRAS-Jからの信号の受信に成功し、正常に通信ができることを確認したという。
この後、ADRAS-Jは対象デブリであるGOSATを打ち上げた「H-IIAロケット15号機」の上段に徐々に接近。最終的には手を伸ばせば届く距離まで近づき、デブリの運動や損傷・劣化状況に関する情報取得のための撮像に挑むこととなる。この取り組みについて同社では、今後のデブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素となるものだと説明している。
なお、現在ADRAS-Jは、搭載機器のチェックなどを行う初期運用フェーズに移行しており、この完了後、ランデブや近接接近、近傍運用などの技術実証に挑むこととなるという。