Phoronixは2月14日(現地時間)、「Core NGINX Developer Forks Web Server Into Freenginx」において、Webサーバシステム「Nginx」の主要開発者の一人であるMaxim Dounin氏が開発プロジェクトを離れ、新たに「Freenginx.org」プロジェクトを発足したことを伝えた。Nginxを所有するF5 Networksとの運営方針の相違がその動機とされており、Freenginx.orgではNginxをフォークする形で開発を引き継ぎ、オープンソース性を守ると表明している。

  • Freenginx.orgのプロジェクトサイト

    Freenginx.orgのプロジェクトサイト

Freenginx.org発足の経緯

NginxはもともとはNginx社によってその開発やエンタープライズ版の販売、サポートなどが管理されていたが、2019年にF5 Networksに買収されたことで、現在は同社の管理下に置かれている。Maxim Dounin氏によると、F5 Networksが2022年にモスクワオフィスを閉鎖した時点から同氏は社員ではなくなり、その後はボランティアでNginxの開発に貢献してきたという。

しかし最近になって、F5 Networksの経営陣がプロジェクトの方針に強く干渉するようになったとのこと。特に、Nginxのプロジェクト関係者が長年にわたり使用してきたセキュリティポリシーに干渉してきたことで、公共の利益のために開発されるオープンソースソフトウェア（OSS）という立場を維持できなくなったとDounin氏は指摘。そのため、同氏はNginxプロジェクトを離脱し、新たにFreenginx.orgプロジェクトを立ち上げたと表明している。

Maxim Dounin氏のメッセージ全文は、メーリングリストに対する次の投稿で読むことができる。

現在、Freenginx.orgのWebサイトには「このプロジェクトの目標はNginxの開発を企業の恣意的な行為から守ることです」と掲載されている。プロジェクトはまだ発足したばかりであり、今後Freenginx.orgやNginxの開発がどのようになっていくのかは分からない。もしFreenginx.orgが広く支持され、Nginxの他の開発者たちも開発に参加するならば、現在のNginxの役割はFreenginx.orgプロジェクトが担っていくことになるかもしれない。