米国のジーナ・レモンド商務長官は、米国NIST主管の「U.S. AI Safety Institute(USAISI:米国人工知能安全性研究所)」に、「U.S. AI Safety Institute Consortium(AISIC)」を設立したことを発表した。

このコンソーシアムは、先に発表された「安全・安心で信頼できる人工知能に関する大統領令」にしたがって、安全で信頼のできるAIの開発と展開を支援するために、商務省が音頭を取る形でAI開発者とユーザー、学者、政府および業界の研究者、市民社会組織を結集させたものとなる。参加機関としては州政府、地方自治体、非営利団体も含まれており、世界中の安全のための相互運用可能で効果的なツールの開発において重要な役割を果たす同じ考えを持つ国々の組織と協力していくともしている。日米両政府関係者は、すでにこの件に関して協議を始めている模様である。

米商務省によれば、この系統のコンソーシアムの立ち上げは米国史上で初めてだという。NVIDIA、AMD、Intel、QualcommなどのAI半導体を供給する米国半導体企業もコンソーシアムメンバーとなっている。商務省は、同コンソーシアムに参加した全メンバー組織のリストを傘下のNISTのWebサイトにて公開している

なお、レモンド長官は、「米国政府は、リスクを軽減し、AIの計り知れない可能性を活用するために必要な基準を設定し、AIツールを開発する上で重要な役割を担っている。バイデン大統領は、安全基準の設定とイノベーションエコシステムの保護という2つの重要な目標を達成するために当事者が行動するように大統領令を発令し、私たちに指示した。今回発足したAIの安全性を追求していくコンソーシアムは、まさにそれを支援するために設立されたものである。先の大統領令を通じて、米国が先頭に立ち、産業界、市民社会、学術界のリーダーたちと協力することで、これらの課題に立ち向かい、米国の競争力を維持し、責任を持ってAIを開発するのに必要となる安全基準その評価手法を開発することができる」と述べている。