キッズ・ジュニアジャンル賞やNATIONS賞を受賞した「ever closet」を運営する丸久の取締役 営業本部 EC事業部 EC事業チーム プロジェクトリーダー 平石恵梨佳氏に、「楽天市場」における2023の注力点や2024年の展望について聞いた。
2023年はクーポンを使った集客からの脱却が課題だった。そのために、私たちがメーカーとして一番強みを発揮できる”もの作り”で価値を出せるように、商品企画に力を入れた。
ママたちをオフィスに招き、座談会という形でリアルな意見を聞いた。3~4時間、ノンストップで「本当に欲しいもの」「こういう服があったらいいな」というようなご意見を聞かせていただいた。
プリントのデザインを見ていただき、「この顔は怖いから着ない」と忌憚のないご意見をいただいたり、「子どもの肌のことを考えると、こういう素材にしてほしい」と教えていただいたりした。
お肌が敏感なお子さんがいらっしゃるママから、「襟ネームはかゆくなりそうで心配」というご意見をいただき、襟ネームから襟プリントに変更したりもしている。
<商品ページでの伝え方も工夫>
商品ページもがらりと変えた。以前は作業効率を考えて、ページ制作をマニュアル化していた。
しかし、2023年からはマニュアルをすべて取り払い、その商品を伝えるためにどういうレイアウトや構成がいいのかを考えて制作した。雑誌やコラムなどのウェブ媒体を参考にして伝え方を変えた。
より良いページを作るために、もの作りをするスタッフと、ページを作るスタッフのコミュニケーションを活発化した。メーカーなので、ものを作る人が社内にいて、その意見を吸収できる環境がある。その強みを生かすことができた。
そういった取り組みが功を奏して、円安の影響などで商品価格は少し上がっているが、お客さまが離れず、良いレビューもいただくことができた。やり方を大きく変えたので、売り上げは下がるかもしれないと覚悟していたが、しっかりと前年を上回ることができた。
楽天のイベントでインフルエンサーさんとお会いした際も、「『ever closet』の洋服は、本当に子どものことを考えて作ってくれていることが分かるから、私は紹介しているんです」というお言葉をいただくことができた。
<ママやベビー向けの服も展開>
2024年も「ママと一緒に作る」というコンセプトは大切にしながら、引き続き商品開発は力を入れていく。
さらに、今まで取り組んでこなかったシーズンアイテムや、2023年から始めているレディースアイテム、ベビーアイテムもしっかりと強化していきたい。それらが軌道に乗り始めているので、2024年はもっと伸ばしていきたい。