ラストマイルに特化した物流ソリューションを提供するエニキャリは2月1日、貨物軽自動車運送事業の個人事業主・法人に向けて中古軽貨物車両をリースする新事業「K-VANリース(ケイバンリース)」を開始した。独自の審査基準と配送案件の提供により、個人事業主でも審査が通りやすい仕組みを採用しており、物流2024年問題・トラックドライバー不足の解決に貢献する。
エニキャリは設立以来、シェアリングエコノミーによる「地域に愛される持続可能なラストマイル物流インフラ」を実現するための、フィジカルインターネットプラットフォームを構築。DeaaS型のデリバリー注文受付サイトの構築や配達管理システムの提供、自転車を中心とする配送代行など、IT×自転車配送サービスで、ラストマイル物流を総合的に支援している。
このほど、新事業として、貨物軽自動車運送事業の個人事業主・法人に向けて中古軽貨物車両をリースする「K-VANリース」サービスを開始した。1年など一定期間の契約により、毎月定額で軽貨物運送用の軽バン(中古車)を個人ドライバーが利用できるサービスとなる。
車両リースに加えて、エニキャリの配送システムと配送案件の提供が可能なため、利用者は仕事さがしの不安がないうえ、自社からの配送業務があることを基準とする独自の審査のため、リース審査が通らないといった悩みを持つ個人事業主も審査が通りやすい仕組みとなっている。
初期費用はなく、利用料は月額1万7800円~。軽貨物運送業の黒ナンバー届出費用など諸費用が含まれた月額プランにつき、利用者は個人で気軽に軽貨物ドライバーを始めることができる。
エニキャリ独自の中古車調達ルーツを用い、低価格での提供を可能としており、安価で手軽な「ベーシックプラン」と、車検やメンテナンス費用が含まれた「プレミアムプラン」の2種類のプランから選択でき、最短1カ月から契約が可能だ。
宅配便取扱個数は依然として増加傾向にあり、物流2024年問題・トラックドライバー不足の影響により、ドライバー職の求人件数は毎年増加傾向にある。エニキャリが注力するラストマイル物流領域においても、軽貨物ドライバーは不足の傾向にある。
運送業のドライバーは、正社員として直接雇用契約を結ぶのではなく、個人事業主として企業と業務委託契約を交わすのが一般的で、軽貨物運送業は普通自動車免許の保有者であれば届け出により個人事業主として開業できることから、誰でも始めやすい仕事として注目されている。
一方で、軽貨物車両は中古車で50万円~150万円程度の出費となるため、車両購入が開業の妨げとなっている。まとまった出費が不要なカーリースはあるが、個人の場合はリース審査が通らないというケースが散見される、既存カーリースの3~7年といったリース期間は個人事業主として新たに開業する際にはハードルが高いなど、気軽に軽貨物個人事業主になることができない課題がある。こうした状況を受けエニキャリは、これまでにない新しいリース事業「K-VANリース」の開始に至ったとしている。
リース審査が通らないといった悩みを持つ個人事業主でも審査が通りやすい独自の仕組みにより、軽貨物運送のドライバー増加が期待できるとし、このサービスを通じて物流2024年問題・トラックドライバー不足の解決に貢献し、持続可能なラストマイル物流の実現を目指す考えを示した。