弥生は2月13日、2024年における確定申告に関する意識調査の結果を公表した。同調査は2023年分(令和5年分)の確定申告を予定している個人事業主または副業収入のある1000人を対象に実施している。

確定申告の提出方法は個人ごとに固定化している傾向

調査の結果、確定申告の提出方法予定については「e-Taxによる提出」が36.3%で最も多い結果となった。紙による提出も根強い需要があるようで、「税務署に持参して提出」が24.9%、「税務署に郵送して提出」が9.2%だ。全体におけるe-Taxの利用意向は40.6%で、新型コロナウイルスの影響でe-Tax利用意向が大幅に伸長した2021年調査以降はおおむね同程度の高止まり傾向となっている。

  • e-Taxによる提出が最も多かった(資料:弥生)

    e-Taxによる提出が最も多かった(資料:弥生)

e-Taxや紙などの提出方法については、前年と同じ提出方法を今年も予定している事業者が多かった。令和4年分と令和5年分の提出方法(予定)について、「両年ともe-Taxで提出する予定」と回答した人は94.4%、「両年とも紙で提出する」は89.9%。提出方法は個人ごとに固定化しているようだ。

令和4年分の確定申告を紙で提出した人のうち、「確定申告における課題」について「特に課題はない」と答えた事業者は39.7%、e-Taxによる電子申告を行った人では43.2%で、それぞれ最も多い回答となった。多くの事業者が現状の提出方法に満足、または大きな課題を抱えていないことから、前年と同じ提出方法を選択しているのだろう。

確定申告における最多の課題は「作業時間の確保」

令和4年分の確定申告で感じた具体的な課題として、「作業時間の確保(19.2%)」が最も多く挙げられ、「申告書の作成(18.0%)」「e-Taxの操作方法(15.5%)」「帳票の作成、整理(14.5%)」などが続いた。

なお、令和4年分確定申告を紙で提出した事業者では1位が「申告書の作成(24.5%)」、2位が「作業時間の確保(23.5%)」となったのに対し、e-Taxにより提出した事業者では1位が「e-Taxの操作方法(30.6%)」、2位が「作業時間の確保(19.1%)」となった。e-Tax利用者は「申告書の作成」に対する課題が、紙で提出した事業者に比べて10.1ポイントほど低かった。

  • 「作業時間の確保」が課題となっているようだ(資料:弥生)

    「作業時間の確保」が課題となっているようだ(資料:弥生)

e-Tax利用により3時間以上の時間節約を実感

「e-Taxの利用が時間節約になった」と回答した事業者は65.1%に上る。中でも、「3時間以上の短縮になった」と回答した事業者は16.0%だ。「作業時間の確保」を課題と感じている人については、紙での提出よりもe-Tax利用者は4.4ポイント低い結果を示しており、e-Taxの利用は確定申告業務における負担軽減に一定程度役立つことがうかがえる。

  • 3時間以上の時間節約を実感している人が多い結果に(資料:弥生)

    3時間以上の時間節約を実感している人が多い結果に(資料:弥生)