Googleは2月8日(現地時間)、公式ブログ「Google Japan Blog: Bard から Gemini へ:Ultra 1.0 とGemini アプリを発表」において、AIチャットサービス「Bard」の名称を「Gemini」に変更するとアナウンスした。その上で、上位版のAIモデルを搭載する新サービス「Gemini Advanced」と、スマートフォンからGeminiを利用できるモバイルアプリを提供することも発表した。Gemini Advancedはオンラインストレージサービス「Google One」の最上位プランに含まれる形で月額19.99ドル(日本では2,900円)で利用できる。
AIチャットのブランドを「Gemini」に統一
Googleの生成AIサービスには、コンシューマー向けのチャットサービスである「Bard」と、Google WorkspaceおよびGoogle Cloud向けの生産性向上ツールである「Duet AI」があった。今後はこれが「Gemini」に統一される。BardとGoogle Cloud向けのDuet AIは「Gemini」に、Google Workspace向けのDuet AIは「Gemini for Workspace」となる。
Geminiの基盤となるAIモデルは、用途や学習データのサイズによって次の3つに分けられている。
- Gemini Nano:モバイルデバイス単体でも利用可能な最小サイズのモデル
- Gemini Pro:幅広いタスクに対応する汎用性の高いモデル
- Gemini Ultra:非常に複雑なタスクに対応する最高性能のモデル
Gemini Nanoはスマートフォンなどのデバイス上でスタンドアロンで利用できる点が特徴で、GoogleではすでにGemini Nanoを搭載した「Pixel 8 Pro」の提供を開始している。そしてコンシューマー向けの対話型AIであるGemini(旧Bard/Duet AI)では汎用的なGemini Proが使われている。
加えてGoogleは、Gemini Ultraを搭載した新プラン「Gemini Adovanced」を開始する。Gemini Adovancedはオンラインストレージサービスの「Google One」のサブスクリプションに統合され、今回新設された最上位の「AI Premium」プランを契約することで利用可能となる。AI Premiumプランの月額利用料金は19.99ドル(日本では2,900円)となっている。Gemini Adovancedは現時点では英語しかサポートされていないが、利用可能言語は今後順次拡大する予定だという。
Android/iOS向けのモバイルアプリも登場
Googleは今回、スマートフォンからGemeniを利用するためのモバイルアプリも発表した。Android向けには新しいGeminiアプリとして、iOS向けにはGoogleアプリの機能の一部として、AIチャットのGeminiにアクセスできるようになる。Google One AI Premiumプランの契約者はGemini Adovancedも利用できる。
モバイル版のGemini(Geminiアプリ/Googleアプリ)は、2024年2月8日に英語版の公開が開始されている。今後、順次対応言語を拡大する計画で、日本語版および韓国語版については来週(2月12日の週)に提供を開始とのことだ。