【特集 ストレス・睡眠のW訴求の機能性表示食品】市場規模は11%拡大、楽天市場では46%増 働き世代・シニア世代のニーズが拡大

「ストレス」「睡眠」のWケアの機能性表示食品の市場が拡大している。市場調査会社の富士経済によると、2023年の「ストレス緩和・睡眠サポート」の機能性表示食品のサプリメントの市場は、前年比で11.6%増加すると見込んでいるという。ECのデータ分析を手掛けるNintの集計しているデータでは、楽天市場の、「サプリメント」ジャンルにおける「睡眠」「ストレス緩和」を訴求する商品の2023年の市場規模は、前年比で46.3%増加したとしている。ストレスや睡眠に課題を抱える30~50代の「働き世代」に加えて、シニア世代にもニーズが高まっているようだ。

【CONTENTS】

▶アサヒグループ食品「メンタルサポート ココカラケア」、「シェア1位」の呼び声 新規獲得は新聞広告が過半数

▶ユーグレナ「からだにユーグレナ 睡眠・ストレス Wサポート」、ユーグレナの豊富な栄養も訴求 60~80代の女性に積極的にアプローチ

▶【注目のストレスケア素材】セティ「有胞子性乳酸菌スポルス」、ラットの不安・抑うつ様行動が改善

独自成分の届出が増加

本紙が、消費者庁の機能性表示食品のデータベースで、「睡眠」と「ストレス」の両方のキーワードで調べたところ、277件の機能性表示食品届け出が確認された(=表を参照)。

届け出件数が最も多かった機能性関与成分は「GABA」だった。「GABA」だけで、「睡眠」「ストレス」の2つの機能を訴求している製品が86件あった。

次いで多かったのが「L-テアニン(26件)」「ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン、GABA(16件)」だった。

2020年以降、アサヒグループ食品の「ガセリ菌(CP2305)」など、独自の成分で「睡眠」「ストレス」の2つの機能性を訴求する、製品の届け出が増えた。

届け出事業者は、山田養蜂場や大正製薬、ビタブリッドジャパン、キューサイといった、大手健康食品通販会社がラインアップしていた。

「睡眠」「ストレス」ケアの機能性表示食品を販売する事業者に取材したところ、訪販ルートで大ヒットしている「ヤクルト1000」が、市場をけん引していることも、市場拡大の要因だとしている。

ある事業者によると、「睡眠」「ストレス」ケアのサプリメントは、継続率とLTVが他の製品に比べて伸びない傾向があるという。「睡眠が改善したら定期購入をやめる」「サプリに依存したくない」という顧客の声が少なくないとしている。

各社が、「睡眠」「ストレス」のWケアを訴求しつつ、独自の特徴を訴求して継続率を高める施策を展開しているようだ。