ルネサス エレクトロニクスは2月8日、2023年12月期第4四半期ならびに通期決算概要を発表した。

それによると、同年第4四半期のNon-GAAPベースでの売上高は前年同期比7.5%減の3619億円、営業利益は同14.9%減の1155億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同10.2%減の982億円。また、通期のNon-GAAPベースでの売上高は前年比2.2%減の1兆4697億円、営業利益は同10.3%減の5016億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同14.7%増の4329億円、IFRS(国際会計基準)では、売上高は同2.1%減の1兆4694億円、営業利益は同7.9%減の3908億円、純利益は同31.4%増の3373億円としている。

  • ルネサスの2023年第4四半期ならびに通期の決算概要

    ルネサスの2023年第4四半期ならびに通期の決算概要 (出所:ルネサス、以下すべて同様)

通期の事業概況をセグメント別に見ると、売上高は自動車向けが同7.8%増の6950億円、産業・インフラ・IoT向けが同9.6%減の7647億円。営業利益は自動車向けが同8.9%増の2387億円、産業・インフラ・IoT向けが同21.9%減の2590億円となる。同社では、自動車向けが円安の影響を受けたほか、ADASやxEV向け製品が伸びたとする一方で、PCやスマートフォンをはじめとするコンシューマ市場の減速により、産業・インフラ・IoT向けが減収減益となったとしている。

  • セグメント別の事業概況
  • セグメント別の事業概況
  • セグメント別の事業概況
  • セグメント別の事業概況

また、国・地域別の売上高については、日本が3767億円、中国が3591億円、アジア(中国除く)が3106億円、欧州が2619億円、北米が1559億円、その他が53億円としており、中国の売上高が前年の4242億円から大きく減少した一方、北米ならびに欧州が伸びることでその影響を軽減する形となった。

このほか、2023年の設備投資額は755億円ならびに研究開発費は2335億円となったという。

  • 四半期別の設備投資額推移

    四半期別の設備投資額推移

  • ルネサス保有の半導体工場の稼働率推移

    ルネサス保有の半導体工場の稼働率推移

なお同社では、2024年第1四半期の見通しについて、売上高を3450億円±75億円(前年同期比-4.1%±2.1pts)と予想している。また、同社は同日付の取締役会にて、2005年3月期以来となる株主に対する剰余金の配当を再開することを決議。2023年12月期については、1株あたり28円の期末配当を行うことを予定するとしているが、次期の配当については現時点では未定ながら、決定次第速やかに開示するとしている。

  • 配当を復活

    配当のほか、自己株式の消却も順次進めている