米IBMは2月6日(現地時間)、エンタープライズ向けのLinuxサーバ「IBM LinuxONE 4 Express」を発表した。事前構成済みのラックマウントシステムで、コスト削減実現するとともに、ワークロードの迅速な立ち上げ、デジタル資産やAIを活用した医療用画像処理、ワークロードの統合などを可能としている。

  • 「IBM LinuxONE 4 Express」の外観

    「IBM LinuxONE 4 Express」の外観

同システムは、IBM Telumプロセッサを搭載し、ラックマウントフォーマットで内外の規制にもとづく、厳しいレジリエンシー要件を必要とする顧客に可用性を提供。

GDPS(広域分散並列シスプレックス)、ボリュームに対するデュアルサイトのアクティブ/アクティブアクセスを実現する高可用性機能のHyperSwap機能を用いた「IBM DS8000シリーズ」ストレージを搭載したIBM LinuxONE 4 Expressシステムは「Red Hat OpenShift Container Platform」環境で実行された場合、99.999999%の可用性を実現できるように設計されているという。

また、ハードウェアベースのセキュリティ技術「IBM Secure Execution for Linux」が組み込まれており、デジタル資産のような機密データを保護するためのコンフィデンシャルコンピューティング機能を備えている。

個々のワークロードをスケーラブルに分離することで、外部からの攻撃だけでなく、内部の脅威からも保護することができ、デジタル資産のユースケースでセキュリティ上、重要な段階である使用中のデータも対象となる。

さらに、IBM TelumプロセッサのオンチップAI推論により、LinuxONEシステム上のミッションクリティカルなデータとAIを同居させることを可能とし、データがある場所でデータ分析ができる。

例えば、医療保険会社は大量の医療記録をほぼリアルタイムで分析し、請求処理の妥当性を検証することで、ビジネス上の意思決定のスピードを向上させることを可能としている。

加えて、データベースをLinuxONEシステムに統合することで、顧客がIT環境を簡素化し、長期にわたるコスト削減ができるように設計されている。Linux ワークロードを比較対象のx86サーバからIBM LinuxONE 4 Expressに移行すると、5年間でTCO(総所有コスト)を52%以上削減できるという。