コプロテクノロジーは2月2日、半導体製造装置の保守点検を担うエンジニアの育成に特化した研修センター「セミコンテクノラボ」を2024年2月1日付で神奈川県横浜市に開設し、同日より稼働を開始したことを発表した。
経済安全保障リスクへの対応などを背景に半導体の国産化が日本でも進められている一方、半導体デバイスメーカーおよび半導体製造装置メーカーでは製造プロセスに関する知識を有するエンジニアの不足が課題となっている。そうした社会情勢を踏まえ同社は、半導体製造装置の機械メンテナンスやフィールドエンジニア業務を行える高スキル人財を育成し、半導体業界へ送り込むことを目指して、今回、半導体製造装置の保守点検を担うエンジニアの育成に特化したセミコンテクノラボの開設に踏み切ったという。
同研修センターの延べ床面積は223.16m2(67.5坪)ほどで、センター内に半導体製造装置で修理箇所となりやすい収納機構である「ソーター」や、外部機器とウェハカセットの受け渡しを行う装置部「ロードポート」などの修理を、現場と同レベルの体験を通じて、半導体関連産業に従事したことのない未経験者であっても1ヵ月間の研修期間で、半導体製造装置のフィールドエンジニアを目指すことが可能なカリキュラムが用意されているという。
研修にあたっては、大手半導体メーカー出身のエンジニアを講師として起用。半導体業界で働くにあたって必要な「働く姿勢」や「安全意識」の徹底といった基本的な内容や半導体ならびに半導体製造装置に関する基礎知識のほか、修理や保守点検時に使用する工具の使い方、配線作業などのフィールドエンジニア業務に関する実践的な取り組みを通して学ぶ研修が実施されるという。また、実技面では実際の半導体製造装置を動かしながら、製造装置で修理箇所となりやすい部分の修理ノウハウを学ぶといった体験型学習もカリキュラムに含まれているとする。
さらにコプロ・グループ全体として、新規採用に加え、グループ内のジョブチェンジ制度を活用した建設やITといった他領域の技術者を対象に、1ヵ月間の研修を通して、半導体エンジニアとしてのキャリア形成を目的としたリスキリング(学び直し)も進めていくとしている。
なお、同研修センターでは、2025年3月期に年間100人程度の研修受講を見込んでいるほか、2026年3月期には約200人ほどと、向こう2年ほどで累計300人ほどのエンジニアを育成することを目標としているほか、将来的には半導体工場が集積する九州、東北、北海道などにも拠点の拡大を図っていくことも検討していくとしている。