ガートナージャパン(Gartner)は2月5日、エグゼクティブ・リーダーがイノベーションを主導するために押さえておくべき3つのステップを発表した。

  • プロダクトのイノベーションに対する障壁(回答者の割合:高い順)

    プロダクトのイノベーションに対する障壁(回答者の割合:高い順)

イノベーションを主導するために押さえておくべき3つのステップ

調査によると、ITリーダーとビジネス・リーダーが自社のイノベーションに取り組む際に直面する主な障壁は、社内人材の能力(33%)、社内のリスク選好度(28%)、組織文化(27%)が上位3項目であったという。

同社は、エグゼクティブ・リーダーがイノベーションを主導するために押さえておくべき3つのステップとして、「従業員にトレーニングと教育リソースを提供し、動機を与える」、「自律的で自己統治型な環境をチームに提供する」、「ルールを破る者となり、絶えず実験を続けることで破壊的イノベーションを起こす」ことを挙げた。

従業員にトレーニングと教育リソースを提供し動機を与える

リーダーが始めるべき最初のステップは、従業員に創造性と探求心を育むトレーニングを提供することだという。これにより、従業員はイノベーションのフレームワークを理解し、新しいアイデアや探索方法を実行するスキルを身につけることが可能。

同時に、従業員に対して実質的な動機を与える必要があり、例えば新しい挑戦に取り組む従業員には評価や褒賞を用意することで、通常業務と並行して新しいアイデアを追求するモチベーションを高めると同社は指摘する。

自律的で自己統治型な環境をチームに提供する

また、組織全体で共通の成果を生み出すには、自律的で自己統治型な環境をチームに提供することが重要だとし、イノベーションを起こしやすい環境を提供する際は初期段階で実験を妨害せず、重要度と複雑性に合わせてガバナンスの強度を適応していくことが大切だという。

達成すべきビジネス成果の特定とその成果の測定手段、目標達成のために必要となるデータ・ソースは何か、その情報は意図した利用者にどのように利用されるのかについての理解度を高める必要があるという。従業員のデータ・リテラシーを高めるトレーニングも提供しチームを教育することで、データに基づく意思決定を行うことが可能になるという。

ルールを破る者となり絶えず実験を続けることで破壊的イノベーションを起こす

さらに、法律、倫理、規制コンプライアンスに反することや、企業のDNAに組み込まれている指針や原則は破るべきではないものの、イノベーションを妨げ、共通のビジネス成果の達成を阻害する可能性のある他のルールはすべて、破ってもよい対象として検討すべきだとしている。