PwCコンサルティングは2月1日、宇宙・空間産業の推進による地球規模の課題解決に向けて、さまざまな業界知見や専門知識を併せ持つ人材を結集した横断組織を発足し、新サービスとして提供することを発表した。

昨今、気候変動や食料、資源・エネルギー問題など地球規模の課題が次々と顕在化しているが、こうした国や地域の枠を越えた課題に対しては、産学官それぞれが事業活動や研究開発、政策立案を分野横断的に取り組んでいくことが求められており、その視点には宇宙から見た地球も重要になるとする。

特に近年はロケットの打ち上げコスト低下に伴い、人工衛星による地球観測や通信利用が身近なものになっており、宇宙関連産業においても自動車産業におけるCASE(Connected、Autonomous、Shared-Services、Electric)のような時代が近づいてきており、宇宙を活用しようという企業も増加し続けている。

そこで同社では今回、そうした地球規模の課題解決に向けて宇宙・空間をリアルとデジタルの双方から俯瞰した視点で捉えることで、産学官を含む複数のセクターにおける分野横断的な枠組み作りや関連産業の推進、技術開発・実証、事業活動の支援を目的とした宇宙・空間産業向け組織を構築。同組織では、宇宙空間から地上まで、多層的なアーキテクチャを規定し、政策・規制や仮想空間と現実空間における産業バリューチェーン、ユースケースを整理し、分析を行うほか、各セクターのプロフェッショナルや、5大陸14カ国のPwCメンバーファームの宇宙チームと連携し、ルールメイキングや研究開発、事業戦略を推進するクライアントを包括的に支援するとしている。なお、PwCコンサルティングの執行役員パートナーで宇宙・空間産業推進室責任者でもある渡邊敏康氏は、今回の取り組みに対し、「PwCが産業横断の知見を有する人材やグローバルとの連携を含めた宇宙・空間産業分野の専門家を結集させ、我々自身が率先して市場への見立てと注力領域を示していくことが重要と考えている」と意気込みを述べている。

  • PwCとして定義する宇宙ビジネスの事業領域

    PwCとして定義する宇宙ビジネスの事業領域 (出所:PwC)