MSPoweruserはこのほど、「Microsoft forms "new team" to adopt Rust into MS365's Substrate App Platform」において、Microsoftが最近、Microosft 365(以下、MS365)のSubstrate App PlatformにRustを採用するための新チームを結成しているようだと伝えた。Substrate App Platformは、MS365のクラウドプラットフォームの根幹を構成する基盤レイヤー。同社はこのSubstrate App Platformの開発において、Rust導入を主導する新しい主任ソフトウェアアーキテクトを探しているという。
MicrosoftがRustエンジニアを募集中
MSPoweruserのレポートは、Microsoft Careersに最近追加された新しい求人情報を参照している。この求人情報はRustとC#のスキルを備えたソフトウェアエンジニアに向けたもの。説明には「世界規模のプラットフォームサービスの最新のための基盤として、プログラミング言語であるRustの導入を実現することに重点を置いた新しいチームを結成している」と記載されている。
該当するエンジニアに求められる役割としては、技術的な方向性の指導、RustコンポーネントライブラリやSDKの設計と実装、そして既存のC#ベースのサービスのRustへの再実装などが含まれている。この求人情報は、Microsoftが同社のコア・テクノロジーとしてRustを積極的に導入し、場合によっては既存資産をC#からRustに移行するという方針の現れと言える。
MicrosoftのRustへの取り組み
Microsoftは2023年4月に開催されたカンファレンス「Blue Hat IL 2023」において、Windowsカーネルの一部をRustで書き直す計画を発表した。その理由として、使いやすさや安全性、そして言語としての新規性などを挙げている。Rustはメモリの安全性と保護に重点を置いた設計になっており、結果としてコード内の致命的なバグや脆弱性の発生を未然に防ぐことができる。
Microsoft自身、Rustとそのエコシステムを管理し、利用を促進するために設立されたRust Foundationのプラチナメンバーである。多くのミッションクリティカルなシステムを持つMicrosoftがRustの採用を進めるのは自然な流れと言える。それでも、既存のC#資産の書き換えも視野に入れているというのは興味深い。
Substrate App PlatformはMS365の根幹を支えるプラットフォームであり、Microsoftのビジネスの要の一つでもある。Rustの導入を主な役割とする新チームの結成は、同社におけるRustへの移行の取り組みを加速させそうだ。